12月20日

 富山市で仕事だったので、午後2時までに行かねばならなかった。が、大寒波がやってきており、大雪になるとの予想。最初、ロードスターでスタッドレスだけ付けて行こうと思っていたのだが、生やさしい降り方ではなさそうだったので、オヤジのジムニーを奪って乗っていくことにした。

 金曜夜からちらほら雪が降り始めていたが、たいしたことがなかったので、名古屋近辺は大丈夫だろうと高をくくっていた。が、朝起きたら外が妙に白く明るい。あちゃ、とカーテンを開けると、一面の銀世界。名古屋ではなかなかない積雪だった。

 道路公団のページで確認すると、名神と東海北陸自動車道の各務ヶ原以南は通行止め。雪の対策がない道路はちょっと降っただけですぐに通行止めになってしまう。仕方がないから、東海北陸道の美並インターまで下道で行くことにする。尾張旭から春日井に抜け、国道19号をちょっと走って入鹿池の横を通って国道41号に至り、さらに県道を通って美濃まで抜けられるなかなか良い道がある。

 さすがに平地では路面の雪はあっという間に溶け始めており、雪で交通量が少ないこともあって、スムーズに走れた。尾張パークウエイ方面に向かって丘を登り始めると、だんだんと雪がしまってきて圧雪となり、雪国っぽくなってくる。道路脇の竹が雪の重さでしなって折れて道路を塞いでいる個所が何カ所かあったが、どうせオヤジのジムニーなのだから、かまわず強行突破する。

 上り坂では路肩に突き刺さったトラックやら、坂を上らずに捨てられた車でけっこうにぎやか。こちらはスタッドレスにジムニーという最強の組み合わせなので、まったく問題ない。

 犬山や美濃加茂近辺は標高が低く、気温も上がり始めていたこともあって路面の雪がぐちゃぐちゃでハンドルを取られる以外は快適に走ることができた。美並インターから高速へ。

 郡上八幡、白鳥と標高が高くなるに従って、路面は圧雪となってしかも雪が強くなってきた。それでも、追い越し車線でバヒュンと10数台をごぼう抜きすれば、交通量も少なく快適。が、高鷲を通過した辺りから、吹雪で視界がなくなり、気温も下がってきたのでワイパーとフロントガラスが凍結しだし、一面真っ白だからどこが道路なのかも分からない状態。目印に立てられたポールを横目に見ながら勘で走るしかない。

 ひるがのにさしかかると、さすがに標高1000メートル近く、気温もマイナス7度。猛烈な横殴りの雪が降ってかなりやばい雰囲気となった。ワイパーがスノーブレードでなかったので、あっという間に凍ってフロントガラスも凍って視界がなくなる。ウオッシャー液もあっという間になくなった。

 こんな状態では走らない方が安全なのだが、2時に富山に着かねばならなかったし、なにより止まっていたらそのまま雪に埋もれそうで命の危険を感じた。ワイパーの氷をたたき割ってヒーターを最強にして荘川、飛騨清見へ。

 古川に抜ける卯の花街道の積雪の具合が良くて楽しかった。気温がマイナス4、5度とちょうど良く、パウダースノーが20センチほど積もって何をやっても怖くない感じ。ドライ路面と変わらないスピードで駆け上がり、下りはABSの感触を確かめながらアンダーを出さないように走っていく。アクセルオンでオーバーが出やすいFRと違って、どアンダーでるので何となく違和感があった。が、ロードスターで慣れている身にとっては雪道でのトラクションのかかり具合は感動的。

 古川から神岡に抜ける数河高原は道が広く、ジムニーの独壇場である。峠を越えたら、一段と雪が強くなり、ほとんど視界がなかったため、トラックの後ろについてのろのろと走る。そこから富山市内までは時速30キロほどののろのろ運転。富山市内は昼を過ぎて気温が高いだけあって、ほとんど路面の雪が消えていた。

 結局約束の時間から30分遅れて到着。お雑煮を食べさせてもらう。