昨日、木曜日は、早朝に市場に行く日である。朝4時半に起きて、日比野にある市場に向かう。寒くなっても、早朝の市場は相変わらず活気にあふれ、デンジャラスなフォークリフトや軽トラックがびゅんびゅんと行き交う。自分の周りの360度に気を配っていないと、ひき殺される。
5時半すぎに市場に着くと、競りが繰り広げられていた。セリ人が聞き取りにくい意味不明の低い声を上げると、仲買人が競って札のようなものを魚が入れられたトロ箱に放り込んでいた。はたから見ても、どうやって値が付いているのか、見当がつかない。
養殖ブリを見せてもらった。4キロほどのもの。スーパーで出回っているブリはだいたいが養殖物だという。
それに比べて、天然ブリは8キロぐらいと大きい。一番高級なものは、富山・氷見で水揚げされたもので、ご丁寧に青色のトロ箱に入れられて、その存在をアピールしている。「ブリ一本、米一俵」というぐらいだから、数万円の値が付く代物である。でも、値が張りすぎて、買い手がないらしい。不景気であることを感じる。
魚売りのお兄さん曰く、今年のブリの形が気に入らないらしい。例年なら、ブリをトロ箱に押し込んだとき、おなかと背中がトロ箱に隙間なく、ぴっちりとはまりこむらしいのだが、今年のものは、隙間ができている。「海水温度の上昇で、生態系に変化が起きているのでは」というのが、お兄さんの不安だ。いくら今年は、冬が早く訪れたからと言って、やはり海水温度は高く、温暖化傾向なのだ。
市場のおじさんとともに市場の食堂で朝飯を喰らった。おじさんが気を利かして、ヒラマサの刺し身を持ってきてくれていた。さらに山盛りの刺し身を、ばくばくと遠慮なく喰らったのだから贅沢な話だ。ヒラマサはブリ系の魚で、ぎとぎとの脂が乗っているのだが、天然ものだからか、大量に食べても脂がくどくなかった。
4時半に起きたのだから、夕方になれば眠くなる。パソコンに向かって、仕事をしているふりをしながら、ディープに寝ていたら、頭を思いっきり殴られた。