12月15日

ジムニーをぶつけちゃった。

雪雲にどんよりと覆われていた安曇野を高瀬川沿いに北上すると、松川村あたりから雪が強く降ってきた。大町市に入る頃には本降りとなり、路面は圧雪状態。4駆に切り替える。普段の遅さのイライラをここで解消するのだ。だてに175-80-R16のタイヤを履いているんじゃない。ロケットスタートだぜ。

街中ではさすがに飛ばせないけれど、山道に入ってしまえば遊び放題。目的地の美麻村に入った頃、再び2駆に戻した。積雪は30センチぐらいか。馬鹿である。コーナーでわざと姿勢を崩してみたり、急ブレーキをしたりと、はたから見たら狂った野郎だ。ジムニーはホイールベースが短いだけに後輪を滑らすと、一気にスピンモードに入ろうとする。なかなか難しい。

訪問先に電話したら、外出中だったので、3、40分待つことになった。滑らして遊ぶしかない。

信州新町の僻地へ通じる狭い道を走る。ところどころガードレールがなく、ふざけていると、2、30メートル落下してしまうので、あまり遊ぶことができない。Uターンして再び美麻村の少し広い道路でストレス発散。スラローム走行である。

アクセルを踏み込んで後輪を滑らせると同時にハンドル操作し、姿勢が傾きかけたところでカウンターとともにアクセルを抜いてやり、くるりと逆に向きが変わったところで再び踏み込む。この動作を連続させようとすると、ハンドル操作とアクセルの調和が難しい。だが、非力な車でも振り回せるのは雪道ならでは。面白い。

スキーのウェーデルンみたいな動きを目指して走っていたら、甘いアクセル操作をしてしまった。踏みすぎ、ぐらりと車体が左側に大きく傾く。とっさにハンドルを右に一杯切ってカウンターを当てたものの、操縦不能になった。直線でスピンモード。やばいと、パニックブレーキを踏んだら、壁に吸い込まれるように突き進み、鈍い音とともに激突。馬鹿。下手でごめんね、マイ・スイート・ジムニー。

バックしたら、ハンドルが切れないことに気が付いた。降りてみると、凹んだバンパーが前輪に食い込んでいた。近くでバールとごついハンマーを借りて、大雪の中、修復を試みるものの、一人では無理。訪問先から電話があったので、車で来てもらう。さすがに「スラロームをしていてぶつけました」とは言えなかった。ロープで引っ張ったり、たたいたりしてみたけれど、バンパーの裏側のフレームが食い込んでいるみたいで、びくともしない。結局、車屋を呼ぶことにして、訪問先で用事を過ごす。この家には、ロードスターの宿敵である猫ちゃんが10匹ぐらい生息している。

車屋が来たので外に出ようとしたら、僕の靴の中に猫ちゃんの嘔吐物がぶちまけられていた。想像するに、家の人と違う人のにおいがするので、クンクン、とかいでみたら、あまりにも異臭がしたので、ゲロしちゃったんじゃないだろうか。ゲロしながら逃げた後があった。泣きっ面に蜂とはこのことである。

長靴を借りて車屋さんとともに雪の中、現地で動けるようにする。修理代3000円。地獄に仏とはこのことである。正しく直すとしたら、バンパー交換、フェンダー板金で5万円ぐらいだろうか。痛い。自分で直すかな。

教訓:下手なくせに雪道で遊ばない