12月1日

 朝10時すぎに、金沢のオフィスから電話がかかってきて「夕方に東京で3県のボスが会議を開いた後、M原大臣に会うらしい」だと。「そりゃあ、行った方が良いですよね」(人が多い金沢から人を出してね、はあと)と答えたら「お前、行ってくれ」とのこと。

(人が多い金沢から人を出してね、はあと)

 はあ、突然、東京出張ですか、と時間を見ると、午前11時10分発の富山空港発羽田行きに乗れる感じだったので承諾した。あわてて荷物をまとめてインプレッサで空港へ。携帯電話でチケット購入。いまは携帯で購入から座席指定、チェックインまですべてできちゃうからスゴイ時代だ。

 仕事の引き継ぎやら、東京のオフィスの人への連絡やらであわただしい。そういうときに限って落とし穴にはまるもので、電話をしながら空港へ走っていく途中の田んぼに制服を着た人が見えたから「やばい」と思ったら、案の定、高速のガードの向こう側から同じ服の人が出てきて、笛を吹きながら赤い逆三角形の旗を掲示した。青い紙と振り込み用紙をもらう。3年ぶりぐらいだなあ。ゴールドライセンスが再び遠のいた。

 「すみません、11時10分の飛行機なんで急いでください」と言ったけれど、パンダクラウンの中の制服の人は何知らぬ顔で書類を書く。何とか、離陸15分前ぐらいに到着。富山空港は無料で駐車できるのだけれど、空港ビルに近い有料駐車場に車を止めて飛行機に駆け込む。ビリじゃなかったからよしとしよう。

 気を取り直してフライトを楽しむ。窓際の席をゲットしたのだ。富山には珍しく、抜けるような青空。空港を飛び立って、海岸線沿いを新潟方面にしばらく飛んだのだが、荒々しい立山が白く冠雪した姿や田んぼの中に点々と屋敷林を構えた家が立つ平野を見て、やっぱり富山って美しいと思った。

 昼すぎには羽田に着いて、4時前からの仕事だったのでちょこっと時間があったから新橋で下りて歩いて平河町に向かう。新橋の駅を出たら真ん前にチャンスセンターがあったので、年末ジャンボを購入。近くにMUFGの支店があったので、さっきもらった振り込み用紙で6000円を国庫に納入。

 日比谷公園を横切って皇居のお堀沿いを歩いて平河町へ。パソコンに加え、巨大なCanon5Dとストロボ、ブラケットを放り込んだ鞄はあり得ない重さで、歩いていると肩にひもが食い込む感じ。ランチを食べるところはいくらでもあったけれど、マックでジャンクな昼食を。

 K土K通省で再びM原大臣の顔を見る。短い期間に4度も顔を見ると、親近感すらわいちゃうよ。ちゃきちゃきっと仕事をして、夜。帰れないので新橋のビジネスホテルにチェックイン。

 腹が減ったので、ラーメンでも食べようと、深夜の街へ。夜の11時過ぎだってのに、朝の出勤ラッシュの富山駅よりも多くの人が歩いている感じ。リーマンの街だから普通か。「マッサージどう?」の国籍不明なお姉さんがつじつじに立っていて、数がものすごく多い。が、富山の桜木町のお姉さんよりもあっさりとしていて危険は感じない。

 1杯飲んだ後のラーメンに興じる人でどのラーメン屋も超満員。国籍不明お姉さんとキャバクラの呼び込みをかわしながら探し回ると、ばんから、というラーメン屋のスペースが空いているようだったので、入店。辛ネギばんからというラーメンと生ビールを注文する。最初はうまい気がしたのだが、辛ネギのおかげでスープが台湾ラーメンみたいな色になってしまったので、辛さの耐性が低い僕は味を感じなくなってしまった。

 ホテルに戻ってビールを飲み直して意識を失う。