11月8日

 一眼レフカメラのF90が壊れた。スイッチを入れたのに電源が入らないので、おかしいなと思い、電池ボックスを外したら、落としてしまった。単三電池をまき散らしながら、電池ボックス崩壊。電源がなくなると、撮影したフィルムを抜き出すのでさえ困ってしまう。軟弱だ。FM2かFM3でも買ってしまおうかしら。どうせマニュアルでしか使っていないし、オートフォーカスも壊れている。同じことだ。

 仕方がないのでカメラ屋へ。さすがに電池ボックスの在庫はなかった。F90の拡張部品で、電池ボックスを下側に増設して、縦位置で撮影する場合のグリップとなるものが売っている。15000円くらい。3年あまりにわたる激しい使用で、三脚を取り付けるねじ穴の周辺が崩壊し始めているし、それを保護するつもりで買ってもいいかも知れないな、と思った。見た目がF4やF5みたいに渋くなるし。しかし、8万円ちょっと出せばFM3が買えてしまうのだ。

 困った顔をして立ちつくす店員の前で、カタログとにらめっこ。10分ぐらい悩んだ。電池ボックスだけでもたぶん2000円くらい取られる。この際、拡張してしまおうか…。いや、そろそろ限界が近いカメラにこれ以上お金を使うのも…。

 結局、3年間のメシの種として働いてくれた愛着にはかなわず、注文した。しかし、部品が届くのは週明け。心臓が止まったかのごとく、F90は、週明けまで沈黙することになる。手持ちのデジカメでごまかすしかない。

 カメラがない、となると、なぜか不安である。裸で歩いているみたいだ。