11月6日

 携帯電話の番号持ち運び制度が始まった今、8年ぐらいつかってきた殿様商売Docomoを捨てて、auに乗り換えたい。が、それが仕事上の理由でできない。この理不尽さ。

 今の部署にいると、昔のパソコン通信でつかっていたプロトコルを使わなければ仕事結果を上司に送ることができない。パソコン通信時代のプロトコル「Microcom
Networking Protocol」(略称MNP)が使えるmovaのデジタル通信カードを使わなければならないのである。略すとMNP。MNPと聞くと今は持ち運び制度だが、僕はこちらの方を思い浮かべてしまう。

 携帯電話での通信速度は9600bpsだ。2400bpsが標準だった時代、携帯電話での通信は高速通信の部類だったのだが、そんな時代は12、3年前に終わってしまった。徐々に進化していく回線速度に取り残されてしまっている形。基本的にテキストデータを送るだけだから9600bpsで十分なんだけれど。

 普段、上司が使っている機械を最新型にしてもらえれば、インターネットにさえつながればFTPで仕事結果を送ることができるようになるのである。会社が経費をケチって地方の仕事場に新機械を導入しない。以前なら、携帯電話は会社所有でまったく費用負担がなかったので問題なかったのだが、ちょっと前から個人所有にされて通話料を請求する形になっている。個人所有になったのに、自由に端末を選べないこの理不尽さ。AirHでMNPの通信はできないのかと試行錯誤してみたが無理みたい。

 という小難しい理由を先に書いちゃったが、もっとも乗り換えたいのは、いま住んでいるところで電波状態が悪いからである。仕事の電話がかかってくると、慌てて窓際まで走らないときちんと通話ができない。PHSのように室内アンテナを設置できないものかとDocomoに聞いたことがあるが、アンテナはあることはあるのだけれど「携帯電話までの間が有線になります」だって。問題外。

 だから、早く乗り換えたい。

 乗り換えるなら、選択するのはauであって決してSoftbankではない。Softbankほど、消費者問題を数多く引き起こす企業も珍しい。利益優先というか、血が通っていないというか、何もかもが急ごしらえというか。Yahoo!BBのモデム配布商法が各地の街角で横行していた数年前、あまりにもひどいと苦情が多く寄せられたので、東京の本社の広報担当者に話を聞きに行ったことがある。何度かそんなことをやったのに、やっぱり体質が変わらないようなので、一消費者としては絶対に選択はしたくはない。

 パソコン本体のモデムで固定電話の回線をつかっても仕事結果を送ることはできるので、普段なら携帯電話から送れなくても支障はないのだけれど、「いざ」ということがおこってしまったとき、近くに固定電話の回線があるとは限らない。電話がかかった途端に窓際めがけて走らなければならない、なんとも情けない状態はしばらく続きそうである。