11月25日

 午前7時前に出発して、一路草津へ。高速道路なんて使わない。走ること自体がレクリエーションなのである。

 国道19号を通らないで中津川まで行く良いルートを探している。基本的に、すぐ北を流れている木曽川を上流に伝っていけば、木曽谷に入るはずだ。

 堤防道路から犬山、可児と抜けて八百津へ。国道を走っているつもりだったのに、いつの間にやら知らない県道を走らされていた。地図を見ると見当違いの方向へ走っていたので、ルートを変更。適当に走っていたら、すれ違いも難しい林道のような道になってしまった。カーブミラーもあまりないから、昼間はスピードを出すことはできない。

 あれこれ迷ったりしているうちに、なんとか19号へ。素直に19号を走った方が楽だし燃費も良いし、早い気がする。

 快晴だったのだが、オープンにはしていなかった。駐輪場の屋根の下に車を止めているので、中途半端に雨がかかって、しばらく放置すると廃車のようにどろどろになってしまう。ガソリンスタンドの洗車機に突っ込むのだ。

 福島の手前で洗車コーナーを発見。ドアミラーを折りたたんで突っ込む。たぶん、幌車は想定していない気がするのだが、これまで問題がなかった。

 破れかけの幌は押さえていないと、水が激しく進入する。800円と高かったのだが、ブラシが3往復もしたので納得の価格。ぴかぴかになったに違いない。

 洗車コーナーから車を出し、ドアミラーを元に戻して幌開けて、さあ、出発と思ったらトラブル発生。

 音もなく、ぽろっと右側のミラーが取れた。びりびりとエンジンに合わせて振動するな、と思っていたのだが、根元が腐っていたらしい。取れたミラーを振ると、からからとなにやら大きな部品が入っている音がする。そして、穴からはさびた鉄がぼろぼろといつまでも出てくる。どんな部品が入っているかは知らないけれど、相当腐っていた様子。

 先ほども書いたけれど、今のすみかに来て、ロードスターは駐輪場の屋根の下に止めてある。位置的に運転席側に雨がかかる形。普段から乗っていれば問題なかったかもしれないが、丸ごと1年間、放置してあったのが悪かったかもしれない。20万キロオーバーのポンコツ丸出しの出来事である。

 さすがに片方のミラーが付いていないと、本当にポンコツみたい(あ、みたい、じゃないのか)だし、なんとか付けられないかしら、としばらく思案する。

 ボルトがないから、別のボルトで代用しなければならない。洗車場を見回すと、あった。5センチぐらいのボルトが。そして、なんと工具袋に入っていたナットがドンぴしゃで使える。ピッチも同じ。奇跡だ。

 右が拾ったボルト、真ん中が工具袋にあったナット。ボルトに付いている丸いプラスチックはミラーの部品。ちょうどぴったりとはまった。

 瞬間接着剤もあるので、ナットをミラー側に固定して、ねじで締め上げれば車体に取り付けることだけはできる。可倒式からリジットに変わるから、後ろを見る、という役割は果たさないけれど。

 どうせ使えなくなったミラーなので、遠慮なく加工。ラジオペンチを差し込んでぐりぐりと穴を広げる。ナットが入るぐらいまで加工できたら、ボルトにナットを取り付けて、大きくした穴にたたき込む。良い具合に付くようになったら、瞬間接着剤をどばどばと付けてナットをミラーに固定する。

 こんな感じ。で、取り付けると以下の通り。

 なんとか、格好だけ付いた。もちろん、リジットに取り付けられちゃったので、角度の調整は一切不可。とりあえず、付いているだけの状態。まあ、外観上はまぬけでなくなったのでよしとしよう。

 そして、再び木曽路を北上する。