11月24日

 ぐずぐずしていたため、下道を使って高速料金を浮かせようというたくらみを実現できなかった。中央道の多治見から信州へ向かう。トンネルを抜けて塩尻に下る坂道で見る北アルプスが美しい。真っ白な頂を期待して走るも、霧がかかっていて見えなかった。霧というよりは、畑で野焼きをしている煙が松本平に充満しているらしい。

 豊科インターで下りて、穂高に向かう。常念岳の真下あたりにあるコテージ泊での飲み会なのだ。近づくにつれて、常念岳の美しい稜線がくっきりと見えてきた。コテージはちょっとした高台にある。凍っていないか心配だったが、問題なかった。

 今回の飲み会は、北海道の海の幸を味わうパーティー。長野で働いている同業他社の人が東京に転勤することになったのが口実だ。

 午後5時ぐらいからすでにビールを飲みながら、炭火をおこす。まず焼いたのはししゃもである。カペリンじゃない本物だ。メスしかなかったのが少々残念であったが、淡泊でおいしい。お次は殻付きカキだ。殻付きというより、まだ殻に入っているので、むかなくてはならない。カキをむくのは始めて。

 洋食を食べるのに使う普通のナイフを殻の間に差し入れて、中の貝柱を探り当てて切断してこじ開けるのだ。これがなかなかコツがいる作業で、まずどこが殻の合わせ目なのかが分からず、ナイフをどこに当てたらよいのかで悩む。なんとかこじいれることができればこっちのもので、あとは貝柱付近をさくさくと切ってやると、異常な堅さで閉じていた殻がぱっくり開くのだから不思議である。慣れたら割と簡単にむくことができるようになった。

 20ぐらいあっただろうか。レモン汁をかけて生のまま。あまりたくさん生で食べるとあたる恐れがあるので、炭火で焼いたり、海鮮鍋に投入したりする。

 サーモンの刺身も、脂が乗っていて美味である。余談だが食べるときは「サーモン」か「サケ」かを確認する必要がある。国産のサケの刺身はそのまま食べてはいけない。輸入のサーモンなら大丈夫だ。サーモンは海で養殖されたサケ。サケは日本の川で捕れたサーモンらしい。言葉遊びではなく、川にはいるとサナダムシといった寄生虫が付くから、生では食べると大変なことになるのだ。必ず焼くか煮るか、加温しなくてはならない。サケを刺身で食べたかったら、凍らせて凍らせたままスライスする「ルイベ」という食べ方をする。

 ホタテも巨大なものが刺身で出てきた。バターを乗せた炭火焼きもうまい。もちろん、海鮮鍋にはカニが入っている。酔っぱらってくると、カニの身をちまちまほじくり出して食べるということが不可能になるので、だしだけいただく。

 だんだんとアルコールが進み、日付が変わるころにワインを飲み出した。ここら辺から記憶が怪しくなる。午前4時ごろまで飲んで語らっていた記憶がある。

 朝風呂を浴び、信州にいるのだから、ドライブしなくてはならない。友人Kを誘い出して、美ヶ原と、軽井沢を走ってきた。雲海に浮かぶ北アルプスは美しかった。