11月19日

 悪夢を見た。10時までに会社に行かねばならないのに、時計を見たら11時を回っている…。どうしよう、と思ったら目が覚めた。おお、夢だったか、良かった、と思い時計を見ると、9時30分。今日は本当に10時に会社に行かねばならない日だったので、やばい! と、飛び起きた。

 まだ、ラジエーターの水が抜いたままだったのでパジャマ姿のまま外に飛び出し、ボンネットを開けて、ラジエーターキャップを外し、ホースを突っ込む。水がたまってきたところでエンジンを掛けてそのまま放置し、家の中に戻って着替えてまた飛び出した頃にはラジエーターから湯気が上がっていた。リザーバータンクを満タンにしてホースも片づけずにダッシュする。

 ここまで10分。普通の行き方では間に合わないから、東名阪大森インターから楠、名古屋高速に入るという贅沢なルートを選択。が、まだ込んでいたので思ったより時間が稼げない。10分ほど遅刻したものの、だれにも気づかれずに、滑り込んだ。

 昼から、半田へ行かねばならなかったので、ロードスターに乗り込む。きちんとガスケットを交換したんだから、もう減っていることはないだろう、とリザーバータンクのふたを開けてのぞき込むと、、、空っぽ………(ioi)ガーン。

 ラジエーターキャップを開けて覗くと、、、、水が見えない……(ioi)ど〜ん。

 車内に積んであった水を入れると、ラジエーターに1リットルぐらい入った。出社で20キロほど走っただけでこれだけなくなった。リザーバータンクと合わせて3リットルほどがなくなった計算。ガソリンより消費している。

 時間がなかったので、水を満タンにして走り出す。名古屋高速から知多半島道路へ。阿久比のサービスエリアで止まったら、同じぐらいなくなっていた。やばいぐらいの消費量である。ガスケットが原因ではなかった!

 ヘッド裏側をのぞき込んで、スロットルを開けると、じょぼじょぼと出ている。ガスケットは間違いなくきちっと付いているのだから、後はなにがある? ヘッドが割れてる?

 とりあえず半田市内で仕事をする。水を補充して再び知多半島道路に乗り、大府のサービスエリアに車を止める。ボンネットを開けて、おもむろに工具を取り出し、点火コイルを取り外す。とっても熱いから、水をかけて冷ましてからやる。

 こういう作業は普通だったら人目の付かない隅の方でやるのだろうが、一番人通りのある、休憩所の真ん前で始めてしまった。だって、水場から遠くなるんだもん。僕の車の回りを横切る人々。小雨の中、スーツ姿でエンジンルームに頭を突っ込んでいる姿は、奇怪以外のなにものでもない。

 確かにヘッド後ろにクーラントがだだ濡れした跡がある。手探りすると、メクラキャップを発見。そういえば、こんなところに一つあったな、と思いながら手探りすると、湿っている。ぐいぐいともんでみると、じゅるじゅると熱湯が出てきた。水漏れの原因はここのパンクだったのか…。

 とりあえず、尋常じゃない量が漏れているので、ここで応急手当てをするしかない。接着剤や液体ガスケットを外側から塗っただけではたぶん止まらない。キャップを止めているクリップを外そうと思ったら、ラジオペンチがないことに気が付く。どうしよう、と工具入れを覗くと、バイスグリップを発見。クランク角センサーや配線を外して置いて作業スペースを確保する。かなり手こずったがあれこれ工夫してクリップははずれた。

 こういうホースは長年の使用で縮んで変形して、抜けにくいのが常だ。ウオーターポンププライヤで、つまんでぐりぐりやると外れるのだが、そんなスペースはない。仕方がないから、指でつまんでクソ力でぐりぐりと回していたら、徐々に抜けてきて外れた。やっぱり、キャップの頭の半分ぐらいがちぎれていた。そりゃあ、水だって漏れて行くに決まっている。

 これをボンドや液体ガスケットで固めて取り付けても、少し走ったら水漏れが復活する気がする。どうしようか、とトランクをあさると、インマニ回りに使われていたとみられるホースを発見。おお、これを使おう。

 とりあえず、これを取り付けてクリップで固定し、ホースを折り曲げてバイスグリップでつまむ。これで漏れることはあるまい。

 時間を見るとすでに4時30分。1時間ちょっと格闘していたことになる。名古屋高速を走って仕事場に戻ったが、冷却水は減っていなかった。