11月14日

 休み。残り少ない今シーズンを惜しんで、美ヶ原へ走りに行った。

 標高1800メートルあたりから、雪が解けずに残っている。路面はところどころ、雪解け水で湿っているだけで、凍ってはいない。まだ、夏タイヤで走れそうである。武石村方面に下る峠地点にさしかかり、息を飲んだ。背の高い木々の枝々には樹氷が付いて白く輝き、しかも霧がうっすらかかってきて、その霧のカーテンから太陽が円く姿をのぞかせて光の筋が伸びる。その光が木漏れ日となって暗い地面付近の白く化粧したクマザサを照らす。辺りは静寂。夏の風景とは一変している。

 路面にも一部、雪が残るようになってきた。ぎゅーんでは、雪道はまったくグリップしない。緊張しながらハンドルを握る。全面を覆うほどの雪はなかったので駐車場まで突き進む。生憎、雲がかかってきたので、北アルプスを望むことができない。晴れていれば真っ白になった穂高の嶺のダイナミックな連なりが見えるはずなのに、残念である。

 タイトルの写真を撮った駐車場で車を降りる。氷点下ではなさそう。その証拠に、樹木の枝から、積もった雪が解けて地面のクマザサに降りかかり、さらさらと音がしていた。ロードスターがアイドリングする音でさえ、やけに騒がしく聞こえる世界。この季節に来ると、周りの高原地帯を独占しているようで気分がいい。

 今日はあまりにも寒いので、安コートを買った。明日の朝はマイナス3度らしい。