11月12日

 折り紙好きが集まるというディープな催しに顔を出してきた。

 言わずと知れた、日本が世界に誇る伝統芸能。それでも知っているのは折り鶴程度の人が多いんじゃなかろうか。

 催しは、折り紙好きが高じて折り紙雑誌をつくっている団体が、愛好家同士の交流のために折り紙教室をいくつも開くというもの。こう書くと、なんだか子どもとお年寄りが触れあっていそうな、ほのぼのとした催しを思い浮かべる。んが、マニアの世界はすさまじかった。

 1枚の正方形の紙を切らないで使う、というのがルール。で、並んでいた作品を見て腰が抜けそうになった。ほとんどが立体。それも、バイオリンを弾く女性をかたどっていたり、ペガサスだったり、ゴジラだったり、侍だったり、エンジェルだったり。どう考えても1枚の紙を折っただけとは思えない作品ばかり。竜の折り紙では、無数のうろこが1枚1枚、立体的に表現されているのである。すごい世界がこの世の中にあるのだと、改めて驚く。僕が車をちょこっといじっているのなんで、なんでもないことだと思ってしまう。

 知的所有権の関係で写真撮影とかネット掲載は禁止。が、ネットに詳細な写真を載せていたってまねして折れる人なんていないんじゃないだろうか。折り方を教えてもらったって折れないようなものばかりなのだから。