11月10日

 土曜日は朝6時に起きだして、下道で群馬に向かった。国道153号をずっと北上し、岡谷へ抜けて和田峠、内山峡と抜けて群馬入りする予定であった。素直に高速道路を使えば良かったのだが、財布が寂しいので下道を走ろうと思ったのが間違いであった。

 出発時の天候は曇り時々雨。峠での雪が心配だったが、国道であれば融雪剤がまいてあるし、交通量もあるから夏タイヤでも対丈夫だろうと、甘く考えて失敗した。

 まず、愛知県を抜ける前に道に迷ってしまった。いつも使う国道の裏道を走ったら、なんと国道へ抜ける箇所が工事で通行止め! 仕方なく、勘で走ったのがいけなかった。迷いに迷いまくって、さらに通行止め箇所に出くわし、ついには旭高原というえらい高いところにまで上らされ、下ったら矢作ダム周辺の恐ろしく入り組んだ車がすれ違えるかどうかの細い道に迷い込み、本当にどこにいるのか分からなくなって、べそをかいた。タイムロスすること40分ぐらい。

 なんとか国道257号に出ることができ、稲武へ向かって無事国道153号に乗ることができた。ところが、この153号が無事ではなかった。

 電光掲示で「雪 チェーン必要」と出ていたのだが、日も出ていることだし、そろそろ解けている頃だろうと高をくくっていた。しかし、県境を越えて長野県に入り、ロードスター中部ミーティングが開かれる治部坂高原の手前で圧雪路に出くわす。タイヤがネオバでは、雪道の、しかも上り坂は走りようがない。仕方なくUターンする。

 冬の信州に向かって走るなどというなめたまねをするから、こういう羽目に陥る。素直に帰ってスタッドレスタイヤにしようか考えるも、帰るだけで1時間はかかってしまう。

 土曜日に泊まる予定の松本の天気予報を聞いてみる。天気は回復し、日曜日は晴れという。帰りは雪の心配はしなくて良いらしい。なので、257号を岐阜県恵那市に向かって走ることにした。中央道を使おう。こんなことなら最初から高速で向かえば良かった。高速代数千円を浮かせようと考えて、2時間ぐらいの時間と10リットル以上のガソリンを損した。

 高速な何事もなかった。飯田の南あたりに雪が降っているだけであった。岡谷で下りて、和田峠に向かう。山頂の料金所の手前から雪雲の中に突入し、大粒の雪が舞う中をノーマルタイヤで走ることに。まだ、路面に積もる前だったのが幸いして、峠は越えられた。峠を下ると晴れ間がのぞく。本当に峠の周辺しか雪が降っていないのだ。

 厚い雲の合間から見える浅間山の山腹は、薄く雪化粧している。とても11月上旬の風景には見えない。周りの山はすっかり紅葉していて、すでに美しい盛りは過ぎてしまっていた。紅葉の美しさ、というよりは冬の寒々しさを感じる風景だが、それはそれで美しい。ああ、信州って素敵。

 内山峡の上空だけは晴れているので、こちらの峠越えは大丈夫そうである。案の定、群馬側に抜けると晴天であった。山岳地帯は高原ごとに天候が変わる。当たり前のことだが、車で走っていくつも連続して体験すると、面白い。

 肉を食べて、語らった。