サラ金は人の心を蝕む。少し考えればまったく割に合わないと分かるのに、犯罪に手を染めてしまう。この追いつめられた人たちの心理は、やっぱり当事者にならないと分からない。
一宮市の職員がクビになった。理由は、横領。しかも、生活保護を受けている人のお金を自分の借金返済のために使ってしまった、というのだから言語道断。まったく同情の余地がない。そのうち逮捕されて、実名が公表され、家族が崩壊するんだろう。
サラ金から1000万円の借金があったという。いま、犬だとかおねえさまだとかダンサーだとかを使って、しきりにイメージアップを図っている消費者金融だが、ちょっと前まではサラ金と呼ばれて何となく近づいてはいけない雰囲気だった。が、無人君の宣伝を皮切りにじゃぶじゃぶ宣伝広告費を垂れ流して、なんとなく良いイメージになりつつある。が、超低金利のこの時代に、年利30%近くのぼったくり金利で、比較的低所得者の人の生活費の上前をはねて荒稼ぎしているという事実を忘れてはいけない。そんな企業を傘下に収めて堂々と宣伝している大手銀行グループの姿を見ると、もうなんでもありの時代になっちゃったと空恐ろしく思う。
公務員だと1000万円まで借りられちゃうのだと、今回初めて知った。普通、信用のない主婦や若造は1社50万円まで借りられて、6社300万円で打ち止めになってしまう。ブラックリストに載ってしまって、それ以上借りられなくなるからだ。が、公務員なら1000万円。この違いはなんだ。
仮に軽い気持ちで5万円借り、年利を低く見積もって25%ぐらいだとする。月々の利息1000円ちょっと。これぐらいなら、大丈夫かと安心する。軽い気持ちでまた借りて借金が増え続ける。だいたい1社で50万円まで借りると、その社から借りられなくなる。この時点で利息は月1万ちょっと。また別の会社の借金カードを作って借りる。この時点で、借金を給料からではなく借金で返すことも増える。雪だるま式に借金が増えていき、多重債務者の一丁上がり。普通の人なら300万円でブラックリスト。どの会社に行っても貸してくれないから、怪しげな街金に行ったり、あちらこちらにベタベタと張ってあるチラシの携帯の電話番号に電話する。ヤミ金である。
ここら辺のからくりは、簡単に計算してみればすぐ分かり、普通の思考能力だったらサラ金なんて損だから借りないのだが、年間20万人が自己破産しているんだから、レアケースではないのである。
1回でも借りると、そちらの名簿に掲載されてしまって怖いことになる。裏で利用者の名簿が出回っていることは公然の事実。ブラックの人ならヤミ金が大喜びで接近してくる。1回ぐらい、と安心してはいけない。6社300万円が限度、ということだが、裏を返せば300万円なら借りることが可能で、早い段階で顧客にした方が、取り分が多い。とびっきりの上客として、怪しげなダイレクトメールや電話がじゃんじゃん来るようになる。
ここまで書いていて何を書いているんだか分からなくなってきた。ま、あれだ。車いじりは収入の範囲内で。