土曜日、季節外れの秋にやる江南市の花火大会の撮影に行く。
花火の写真は、花火の大輪だけ写っている写真は寂しい。やはり、見物客やそこにしかないランドマークを写し込む必要がある。
江南市の場合、すいとぴあ江南、という市が税金を無駄遣いして建てた建物の近くの木曽川河川敷で打ち上げるので、必ずこの施設の展望タワーを絡めて取るのが定石。
が、江南の花火は特色がある。打ち上げ発数が少ないので、工夫を凝らしているのだ。市民からBGMを募集し、その曲のイメージやリズムに合わせてコンピューター仕掛けで打ち上げる「音楽花火」である。
定石通り、ランドマークとなる展望タワーと花火を絡めたいなら、市の職員が撮影に使う、あるビルの屋上に潜り込むのがベスト。が、今年は「音楽花火」を現場で見たいので、グラウンドに三脚を立てて撮影することにする。
2500発だけのほんの小さな大会だが、近くまで行くとなかなかの迫力。7号玉になるとEOS20Dで17mmの広角レンズでも、画面に収まらないぐらい。
んが、風が強すぎて大変。花火自体も丸く開かない上、安くて軽い三脚なので、ぶれるぶれる。しかも、リモコンのコードを忘れてしまった。
花火を撮影する場合、シャッタースピードをbulbにセットし、シャッターボタンを押している間だけ光を移り込むようにする。単純にシャッターを開けたままにしておくと、そのほかの光がばんばん画面に映り込んでしまい、真っ白な画面となるので、大輪が開くまでは黒い下敷きをレンズの前にあてがって余分な露光をしないように調整する。デジタルの時代にきわめてアナログな操作。フィルムの時代から、花火の撮影の仕方だけはあまり変わらない。デジタルカメラは露出時間がながくなればなるほど、ノイズが画面に乗ってくるので、手早く絵を作る必要がある。
シャッターを開けたままでカメラ本体のシャッターボタンを触れていると、それだけカメラ本体が揺れて画面がぶれてしまう原因となるので、リモコンコードは必需品となる。んが、忘れてしまった。仕方ないから、ないまま撮る。
音楽花火は、市民からリクエストのあったBGMに合わせて、その曲をイメージした花火をコンピューターでタイミングを合わせて打ち上げるというもの。小さい花火大会だからこそ、こうした工夫が生まれてくる。これが結構、見ていて楽しい。
が、いかんせん強風にリモコンなしの環境。もろにぶれた画面の写真ばかり。もしかして一枚も使える写真が撮れないんじゃないかしら、と不安になったが、何とか2、3枚、使えそうな写真が撮れた。
1枚でも使えればそれでOK。我ながらいい加減なのには閉口するが、写真も評判が良かったみたいなので結果が良ければすべてはOKなのである。