10月28日

 なぜか朝から県庁に行ったら、2階の講堂周りで殺気だって目の血走った人たちがうろうろとしていた。そう、総選挙の立候補の受け付けをやっていたのだ。

 巷で「政権選択選挙」と言われているように、愛知県内でも自民vs民主の構図になっている選挙区が多い。すべての選挙区に共産党が立っているのが、律儀というかなんというか、「参加することに意義がある」という独特の美学を感じる。モータースポーツでは、トップだけが勝者であり、2位以下はタイム的には競っていても敗者であることと同じように、選挙でも勝って政策を実現できなければ意味がないと思うのだが。

 世論調査などの情勢を見る限り、自民党が再び与党になる公算が大きいみたい。同じ政党がずっと政権を握っているのはあまり良いことじゃないことは確か。民主党が頼りないから仕方がないじゃない、とかいう、そんな問題じゃなく、政治家の責任の所在の問題である。

 政権を運営していて、政策の評判が悪くても、今までは自民党が政権を握っていた。だから、有権者の評判はあまり気にせず、やりたい放題いろいろやってしまう。今までが善政だったか悪政だったかはまったく別の話。へますると次の選挙で政権の座から引き下ろされる、という緊張感がないのだ。有権者も、どうせ自民党が勝つのだから、とあきらめ顔で、選挙にすら行かない。なにも変わらず日本は元気にならない。

 選挙のたびに政権が変わるという緊張感があれば、もうちょっとマシな政治になると思うのだが。自民党が勝とうが、民主党が勝とうが関係ない。有権者が政権を選べるということが大事なのである。

 残念ながら、いまの情勢では政権交代の可能性は低いらしい。投票日一週間前ぐらいに「最終情勢」と銘打ったマスコミ各社の世論調査が公表される。すると、大体の結果は見えちゃう。民主党優勢だと面白いな、と思うのだが、いまのところの情勢では自民党優勢になるのだろう。

 一つだけ、政権交代が実現する可能性がある。ウルトラCとも言える技だが、キャスティングボードは共産党が握っている。

 多くの選挙区では自民党が勝ったとしても、票差はそれほど大きくならないことが予想される。共産党が各選挙区で握っている固定票ってけっこう多くて、最低1万票ぐらいはあるのだ。

 イラクへの自衛隊派遣の中止とか同じような政策があるのだから、その政策を必ず実現することを約束し、投票2、3日前に電撃的に「うちは政策実現のため、民主党に入れます」と宣言してしまう。もう、日本中大混乱。これで一気に政権交代が実現。

 共産党は小選挙区で勝つのは難しくなってきているのだから、こうした方が票が有効利用できると思うのだが。まあ、夢想でしかないね。