10月27日

 尾張北部は中途半端に名古屋に近いせいか、なんとなく街に活気がない。「ガチャ万」といって、織物の機会が1回、「ガチャン」と鳴れると1万円がもうかるというぐらい生産性の高い繊維産業のおかげで、一時はとても盛ったはずなのだが、繊維産業からちゃんと精密機械へと乗り換えていった長野と違い、未だに繊維に固執している一宮は繊維産業と同じく元気がない。繊維が斜陽化したときに、繊維工場の跡地でも使って大学を誘致していれば、それなりに文化が生まれたと思うのだが。

 本町商店街を歩いても、あまり面白くないなあ、と残念に思っていたのだが、最近、面白いお店を見つけた。真清田神社の近くにあるお店である。

 夜中、ラーメン屋を探して歩いていると、そのお店があった。口の中がラーメンになっていたので、心惹かれつつも入らなかったのだが、店の前に置いてあったチラシを1枚もらっていった。

 チラシを見ると、なんと、お茶漬け専門店。6、7人でいっぱいになるぐらいの狭い店舗なのに、お茶漬けだけで249種類もあるという。で、お茶漬け以外にもメニューがあって、けっこう本格的なイタリアンが味わえるというのである。

 お茶漬けとイタリアン? 混乱する頭をさらに混乱させたのがお店の名前。その名も「ニューヨーク」。名前にちなんで茶漬けを249種も用意したというわけだ。

 日本とイタリアとドイツなら戦前の三国同盟なのだが、日本とイタリアとアメリカではまったく脈絡がない。

 無意識でお茶漬けとイタリアンのお店に「ニューヨーク」という名前を付けたのなら、そのお店はちょっと続けていくことは難しいかもしれないが、ちぐはぐさを狙って付けたとしたらかなりのセンス。

 行きたくて仕方がないのだが、なかなか機会がないのが残念。