友人Kに光が丘まで迎えに来てもらい、そのまま彼のアルバイトの仕事場へ連れて行ってもらう。同業者からホテルマンに転職し、今度選んだ職業はなんと花屋さん。僕と同い年の人が経営しているお店で半年後から働くことになったのだ。なぜ、半年後からしか雇ってもらえないかは、野暮だから書かない。
会った瞬間からピンと来た。店の中になぜか置いてある朽ちかけのNSR。パソコン前に置いてあるいすは、なぜか180SX純正のシートだ。「日産純正部品」と書かれた袋にはガソリンタンクあたりのものと思われる、馬鹿でっかいOリング。無造作に置かれたインタークーラー。ホワイトボードにはこの経営者のスケジュールが書いてあったのだが、来週の平日の日に二本松へ出張、と書いてあった。間違いない。
僕と同じ、車ヲタクなのであった。自称、変人、ということであった。変態ではない、ときっぱりと否定していた。健康的なヲタク、ということなのだろうか。
そんな彼と車をばらすときの心構えや、整備中のさまざまなけがのことや、車乗りは距離感覚が壊れるよね、という話やら、イタメシを食べながら、かなり濃いヲタク話をしながら夜が更けていった。友人Kの実家の布団で寝たのは午前零時すぎだったと思う。
ぜんぜん寝られなくて、20分に1回ぐらい目を覚ましてしまった。筑波で走ることを考えれば、寝て体力を蓄えた方が良いに決まっているのだが、遠足前の小学生のように、興奮して寝られない状態。ようやく、寝付いたと思ったら3時半に携帯の目覚ましが鳴った。
ちゃちゃっと着替えた。この間買った、つなぎである。車ヲタクであるのなら、やっぱりそれなりの格好で乗り込まねばなるまい。
木曜日に心配したとおり、辺りが寝静まっているときに、爆音で静寂を破るのも申し訳なかったので、車を駐車場の外まで押してエンジンを掛ける。友人Kが外環のインターまで先導してくれた。持つべきものは良き友だちである。
筑波まではスムーズに行けた。が、天気予報ではせいぜい曇りだったはずなのに、筑波周辺は雨。そのままコース上がウエットだったらアクセルは踏めない。
が、雨もやんで気持ちよくドライコンディションで走ることができた。まじで筑波は面白い。興奮の午前中があっという間に過ぎた。
表彰式がサーキット正面のレストランであり、お開きになると同時に時計をみたら、かなりやばい時間だったので慌てて飛び出してつなぎから、スーツに着替えて、ろくに挨拶もせず飛び出した。午後3時までに港区に行かねばならない仕事があったからである。
常磐から首都高6号線、C1と入って芝公園で降りる。順調で、なんとかぎりぎりで間に合った。
仕事が終わり、中板橋の新婚宅へ、再びあつかましくも泊めてもらうために転がり込んだ。しかも、晩飯&ビールもおごってもらって。この厚顔。