10月1日

 秋の花火が江南であったので、初めて20Dで撮影。デジタル一眼レフの場合でも、フィルムと同じような撮り方になるのだが、一つ気を付けなければならないのが、シャッターを開けたままにしておくと、画面にノイズが乗ってくることである。同じ会社のカメラマンの同期に電話して聞くと、「1分ぐらいが限界では」とのこと。

 そういえば、リモートレリーズをまだ買っていなかったので、カメラのキタムラに行くとちゃんと在庫してあった。バルブ撮影、と言って、シャッターボタンを押している間中、シャッターが開いている状態にしておくモードで撮影するのだが、カメラ本体のシャッターボタンに長時間触れていると、どうしても体からカメラに振動が伝わって、絵がぶれてしまう。これを避けるために、使うのがリモートレリーズ。シャッターボタンの有線リモコンと考えればわかりやすい。

 撮影するのは木曽川近くにある「すいとぴあ江南」という場所で開かれる江南市民花火大会。あまり協賛金が集まらなくて、打ち上げる数が少ないため、市民から音楽をリクエストしてもらって、音楽のリズムに合わせて打ち上げをする、ちょっと変わった大会である。市の職員にごり押しして、すいとぴあ江南の展望タワーと花火を重ねることができる近くの企業のビルの屋上の撮影ポイントを押さえる。

 20Dを仕事場に放置してあった三脚に固定して、構図を決める。縦位置。ISOは100で。絞りは11ぐらいか。ここら辺の数値をいい加減にすると、すべての花火が白っぽく写ってきれいな写真にはならない。

 基本的にリモコンボタンで押している間に打ち上がった花火が画面に写る。だが、1発だけ写っていても迫力が足りない寂しい写真になるので、しばらく開いておいて、1コマに何発かを重ねて撮影する。大きな花火大会だと、打ち上げ場所が何カ所かあって、うまいこと重ねられるのだが、小さな花火大会だと、打ち上げ場所がほとんど1カ所で同じ場所で花火が開くことが多い。すると、何発重ねても同じ場所で重なってしまうので1発の花火に見えてしまうから迫力がなかなか出ない。今日の花火大会もそんな感じ。

 何発かを重ねようとするときに、シャッターを開けっ放しにすると、この写真の場合だと手前のタワーが明るいので、開く時間が長くなれば長くなるほど白くなり、夜空も白っぽくなっていく。それでも何発かを重ねたければ、開く時間を長くするしかない。こういうときに使う秘技が「黒い下敷き」である。シャッターを開きっぱなしにしておいて、1発花火を写し込んだら、シャッターはそのままに、レンズの前を黒い下敷きで覆う。こうすれば余分な光は入らないから、比較的長い時間シャッターを開いておくことができ、重ねる花火を多くすることができる。別に下敷きでなくても黒いうちわでも良いのだけれど。

 それにしても、打ち上げる花火の数が少ない。少なすぎる。しかも、同じ場所で同じような花火を打ち上げることが多く、写真にならない。スターマインになると、突然豪快に打ち上げるので、花火がたくさん重なって真っ白になってしまい、写真にはならない。

 結局、良い感じの写真はあまり撮れなかったので、形だけ良いカットを選んで提出しておく。形が好きなカットはこれなんだけれど、色がない。