でたらめに飲んで、だれかれかまわず言いがかりのような論戦をふっかけるので将来を案じていた富山時代の体育会系後輩が「飲みに行きましょう」と生暖かい殺気で電話をかけてきた。この1月で名古屋に異動になって、住み処から荷物を出して名古屋市内のホテルに泊まるので、暇そうな先輩に電話をかけてきたという分かりやすい行動だ。
せっかくだから配偶者も呼んで、どうせ到着が遅くなるから先に飲んでいようと、新栄にある富山の魚がおいしいという居酒屋に出かけたら、休みだった(ioi)。まだ、世間は平日じゃなかったらしい。
ネオン街を栄方面に歩くも、やっぱり休みの店が多いし、良さそうな店もない。「世界の山ちゃん」の本店があったので、ここでも良いかなと思いつつ、結局、栄まで到達してしまった。あてにしていた沖縄料理屋も見つからなく、名古屋にしてはかなり寒い中を途方に暮れて歩いていたら「つけ麺」の看板が。「飲む前に腹をふくらましちゃえ」と入ることにした。決して飲み代をけちっているのではなく、つけ麺ブームなだけなのだ。
「ムッチリつけ麺 ムッチー」っていうお店。かがんで入る形の入り口を入ると、やっぱり店内は狭くて食券を買って、つけ麺をオーダーする。大盛りにした覚えはないのに、どんぶりに山盛りになった極太麺が来たので少々焦ったけれど、上げ底だったので安心した。
正統な豚骨魚介系のつけ汁はどろどろで、ジャンキーで濃厚な味がおいしい。麺は堅めのゆで加減だったけれども、ほかの店みたいにあごが疲れるほどじゃなかった。何とか完食してスープ割りをつけ汁に加えてすすってみる。スープ割り自体にかなり味がある感じ。
後味がいつまでも口の中に残って終盤にくどくて気分が悪くなりそうなつけ麺屋もあったけれども、ここはおいしく食べられた。が、スープは飲み干すことはできなかった。富山のまるかん(冬季休業中)でつけ麺を知っただけに舌が肥えているみたいで、スープまで飲み干して大満足って感じにはならない。
栄駅の改札で待ち合わせて、やっぱり近くの山ちゃんへ。手羽先をつまみにビールを飲んだら、麺が胃でふくらんで大変なことになった。来年、みそじーずに仲間入りするという体育会系後輩は、年齢を重ねて人間が丸くなったみたいで、富山時代みたいに狂ったようなペースで飲み続けることもなく、終電で帰宅することができた。