昨日の夜、日付が変わる頃に帰ろうとしたら、ちょうど良い具合に道路を雪が覆っていた。家に帰り、ジムニーからロードスターに乗り換える。手が痛いのをがまんしながら、車の上に積もった雪を払いのける。暖機がてら、街の中をぐるぐる回っていたものの、物足りないのでいつもの山道へ行くことにした。雪道スラロームでジムニーをぶつけ痛い出費をしたばかりなのに、どこか神経が抜け落ちているらしい。
いつもの山道は入り口が急坂&ヘアピンなので、止まらないように慎重なアクセルワークが必要だ。あまり踏みすぎると滑ってスピン、立て直せずに止まってしまったら、坂の上に向かって発進することはできないので引き返すしかない。いくらハンドル操作でまっすぐ走っているとはいえ、リアを空転させすぎると、だんだん速度が落ちていく。微妙なアクセルワークを心がけながら、ふらふらしつつも山道を登っていく。新雪には他の車が走った形跡もある。やはりみんな、考えることは同じらしい。
中腹の比較的坂が緩く、道幅が広いところで走ることにする。積雪は20センチほどだが、他の車が走った後があるので、路面には10センチほど。遊ぶには絶好の積雪かもしれない。まだ激しく雪が降っている。赤いビビオとすれ違った。FFの軽自動車でも、かなり面白く走れそうだ。
ビビオを見送り、そろそろと走り出す。やはり、ジムニーの後遺症があるので、最初はぜんぜん滑らすことができない。最初はほとんどカウンターを当てることもなく、走りきってしまった。折り返して下りは、怖くてアクセルを踏むことすらできない。
再び折り返し地点に戻る。ここで、白い軽ワゴンとすれ違った。路面にはこの軽ワゴンが付けたとみられるスラロームの跡が残っている。僕の今日の目的は、スラロームじゃないんだ。
気を取り直して、再び発進。とりあえず、安全な上り坂でパワードリフト状態に持ち込んで、カウンターを当てる練習をする。最初は怖々した操作で、あまりアングルを付けることができない。リアが滑ったと思ったら、すぐハンドルを戻してアクセルをゆるめるから、ぐらりとするだけで収束してしまうのだ。これでは、意味がない。
少しだけスピードを付けて、左コーナーにさしかかり、アクセルをゆるめた後に再び少し踏み込むと、すっとリアが流れ出した。少しのカウンターと、アクセルワークでコントロールを試みると、ノーズが左側を向きつつ、アウト側に向かってふくらんでいく姿勢になった。いい感じかな、と思ったら、ハンドルを戻し損ねて、右側にぐらりと来た。失敗。
いろいろ試行錯誤しているうちに、コツのようなものをつかんできた。何かをつかんだわけではないのだが、リアが少しぐらい流れても、怖くなくなってきた。もちろん、速度はかなり抑えている。
何往復かしているうちに、速度は少しずつ上がるもので、コーナーでブレーキを使うぐらいになった。雪道だから、それほど急減速するわけではないが。少し勢いを付けて、アクセルを多めに踏んで、ぐらりとかなりのアングルが付いて横向きになっても、フルカウンターとアクセルで何とか、揺り返しがなく収束できるようになった。こうなってくると、だんだん面白くなる。白い軽ワゴンも、何往復もしているらしく、何回かすれ違う。お互い好きだね。
アクセルを踏んで滑らすだけでなく、ブレーキできっかけをつくりたいのだが、雪道でブレーキを踏む余地がないくらい遅いこともあって、なかなか難しい。踏むと速度が落ちすぎてしまう。ほんの少しだけ踏んで、利くか利かないかのところでクリップ前まで残して置いたら、ほんの少し姿勢が不安定になった。微妙な変化だからわかりにくいけれど、ぐらりとする。
そのぐらりが来そうかな、と感じたぐらいに、アクセルを軽く踏んでやると、そのままドリフトの姿勢になる。アングルもあまり付かずに、アクセルとハンドルの微調整でコーナーが曲がれる感じ。ブレーキといい、アクセルと言い、かなり微妙なタッチでの操作が必要。そのうち、下りでも滑らすことができるようになってきた。
後ろから軽ワゴンが来ているようなので、少しだけ速度をゆるめ、そのまま折り返し地点で停止してハザードを出す。軽ワゴンは後ろについたまま微動だにしないので、仕方なくUターンする。すると軽ワゴンが動いた。どうやら、後ろに付いてきたいらしい。横並びになったところで、こちらを伺っている。2人が乗っているようだ。
あまり見せるものじゃないのだが、と思いつつ、発進する。ハザードを付けながら軽ワゴンが付いてきた。パワードリフトで派手にアングルをつけたりしてサービスしたいつもりなのだが、やはりまだまだへたくそ。おつりをもらったり、ドアンダーを出したり、めちゃくちゃである。
一生懸命走っていたら、バックミラーから軽ワゴンが消えた。待つ義理もないのでそのまま練習に打ち込む。再び何往復かしていたら、すでに時計は午前2時近かった。もちろん、3日も仕事なので大人しく帰ることにする。
帰りの下りでは、片側の車線だけ使って、滑らせて遊んだ。派手なアングルを付けなければ、それほど危険じゃない。コントロールを失っても、センターライン付近でスピンしていればよろしい。それよりも、アンダーを出して、ガードレールに向かったときの方が危険。ブレーキを踏むとより滑るし、ガードレールが近づいてきているのに、ブレーキをゆるめるという勇気が必要。アンダーで滑ってロックすると、どうやらタイヤが雪をかいてしまっているらしくて、少しブレーキをゆるめただけではロックを解除できない。危ない。
街中で調子に乗って滑らせたら、コントロールを失った。積雪が少ないとより滑るらしい。リアの流れる速さにびっくりした。
滑らせて遊ぶのはジムニーよりロードスターの方が簡単。また、行こうかな。