中央市場の魚屋さんから「もさエビ」というエビを大量にもらってきた。
まったく聞いたことがないエビ。大量のエビが入ったトロ箱をから魚屋さん、1匹取り出して「まあ食べてみろ」。ボイルしてあるから、手でむいてそのまま食べてしまえる。
エビの頭の殻を外して、みそをちゅっとすする。なかなかこくがあっておいしい。しっぽまでむいて身を食べてみると、上品な甘さと歯ごたえがありとってもうまい。なんでも、鳥取から取り寄せたエビで、日本海側ではいろいろな名前で呼ばれて各地で食べられているのだが、太平洋側ではあまり知られていないのだとか。マニアックなニーズにこたえて、時々取り寄せるのだという。「甘エビの甘みと車エビの食感を併せ持って知る人ぞ知る食材」と魚屋さん。なるほど、その言葉の通りのうまさである。丸ごと1箱をもらって、ほくほく顔で持ち帰る。
ちょうど、友人が訪ねてくるというので「エビを喰らおうか」と誘う。夜、訪ねてきた友人は、山盛りのエビに驚いた様子。これが市場サイズ。あまりにも大量なエビに、事前準備にも抜かりはない。1人に1つずつ、ガラを入れる「マイボウル」と手を拭く「マイタオル」が配られた。
そして、食べ方を教えて食べてもらうと、再びサプライズである。こんなうまいエビがあったのか、と。それこそ、ボウルからはみ出るほどのガラの山を築いてもまだ飽きずに食べ続けられる。それでもさすがに満腹になり、食べきることはできなかった。
余ったエビを仕事場に持って行き、夜勤の後輩に食べさせる。後輩も感動。なぜか、社員でもないのに毎日仕事場にテレビを見に来る80近いおじいさんも、夜は小食のはずなのに、「うみゃぁでいかんゎ」とわしわし食べて言った言葉。「こんなにうまいエビを食べて、わしの寿命も3年は延びたゎ」。食べてもらって本当にうれしくなった。
山盛りのガラからだしを取ってみそ汁を作ったら、これがまたうまかった。
ネットで調べてみると、どろエビ、さくらエビ、白エビなどと各地で呼ばれているみたい。もし、居酒屋やスーパーで出会ったら、ぜひ食べてみてほしい。