痛飲したのに、なぜか深夜に起き出し、ほぼ酔っぱらったまま書き忘れていたこの「日常」を書いていたりしたら、今度は眠れなくなり、ようやく寝付いたと思ったら、午前9時前だった。寝坊である。
仕方がないので、着替えてロードスターで出かけることにした。朝から大雨。ネオバの溝はあまり残っていないので、スピードを出すと水たまりでタイヤが浮いてハンドルが取られる。重ステなのでそれがもろに手にキックバックとして返ってくる。危ないったらありゃしない。
10時半ぐらいになに喰わぬ顔で出社した。だれも、僕の遅い出社に気を払う人はいない。タイムカードなんてあるわけでもなく、遅刻もできる半面、いつまでもどれだけでも働かされるという、やくざな職場だ。
ぼちぼちと過ごしていたら、急きょ、京都に泊まりがけで出張することになってしまった。しまった、と思う。ロードスターが路上駐車のままだ。また、今回のように突然用事ができることがあるわけで、もしかすると、1泊が2泊になる可能性がある。路上駐車のままだと、最悪レッカーされてしまう。
仕方がないので、西春日井郡の知人の家に置かせてもらうことにした。ここからなら、名古屋駅が名鉄で10数分である。突然「車を置かせろ」と押し掛けて、そのうえ、上がり込んでお茶を1杯すすり、さらにその家の人の車で駅まで送ってもらっちゃったのだから、恐縮しきりである。世の中、厚かましい方が勝ちなのかもしれない。
ひかり自由席で京都まで。名古屋からなら近いものだ。京都駅からタクシーで左京区聖護院川原町あたりまで。運ちゃんが面白かった。50ぐらいの人なのだが、実は芝居をやっている人間。人生で47回も引っ越しをしたそうな。これだけ引っ越ししているとさまざまなことがあるわけで、一度はグリコ・森永事件の容疑者として疑われたらしい。引っ越していった先々で「毒入り危険」菓子が見つかり、ただでさえ引っ越し回数が多いから、警察に職務質問までされたという。
そのほかにも喫茶店でいつも隣にいた感じの悪い人を見なくなったと思ったら、実は殺しで逮捕されていた、とか、友達の友達が革マルや赤軍派だったとか。運ちゃんは言う。「私はなにも犯罪行為はしたことがないですからね」
もちろん、そんな言葉は信じられない。
タクシーを降りてしばらくウロウロしたり、救急車を撮影したりして過ごす。とりあえず、当面の用事はなくなったので、仕事中にもかかわらず京都の同じ会社の知り合いとビールを飲んで景気をつけた。
次の仕事は深夜。寝たり、こんなくだらない文章を書いたりしながら暇つぶし中。