木曜日に東京で仕事だったので、せっかく行くのであれば、職探し中の友人Kを激励しなければなるまい、と水曜日の最終の飛行機で羽田へ。7時半発の飛行機だったから8時半には到着して9時半には飲み始められると思っていたのだが、「羽田が込んでいる」という理由で飛行機は8時20分前にようやく離陸。9時20分に到着したので、新宿で落ち合ったのが10時半だった。
ラーメンを食べて友人Kがセレクトしたゴールデン街のバー・プラスチック・モデルへ。80年代な雰囲気はホームページを見てもらうことにして、友人Kとマスターが繰り広げる意味不明な会話に耳を傾ける。
映画評論家・町山智浩さんがこのバーに来て、いろいろな話題で語っている様子を600人が見守っていたという。終わったのが朝5時。?????
後でいろいろ学んでみて、こういうことか、ということが分かった。町山さんが使ったのがUstreamという仕組みで、iphoneを使って店内で語っている様子をネットにアップ。twitterを使ってライブストリーミングを始めたことを告知して、酒を飲みながらの談義を600人が見守ることになった、と。時代というものは進んでいるのだ。
友人Kの勧めもあって、twitterのアカウントを取ってみた。ただでさえ時間がないのに、そんな時間が取られそうなものを始めたくはない、と思っていたのだが、一連の話を聞いて、とりあえずやってみなければ良く分からない、と思った。
で、友人Kがフォローしていた鳩山首相だとか、ジャーナリストの上杉氏とか、総務大臣とかをフォローする。町山さんも。
今日は朝イチの飛行機で富山に戻ってきて、時間があったのでしばらく眺めていた。すると、みなさん、つぶやくつぶやく。自民党の会議の実況中継だとか。なかなかおもしろい。
そのうち、町山さんがライブストリーミングを始めた。ちなみに、町山さんはアメリカ在住だから向こうからの放送だ。画面の向こうの町山さんは、なぜかピカチュウのレインコートを着て、酒を飲み始める。僕が見た時点で200人ぐらいが見ていたのだが、そのうちだんだんと接続する人が増えていって、300、400人となっていった。
なぜか映像は無音で、そのうちに携帯で電話を始めた。どういうことかな、と友人Kにメールで聞いてみたら、これからTBSラジオに電話出演をするのだという。
富山では聞こえない放送なのだが、ごにょごにょとした手順を踏んでTBSを聞いてみると果たして、町山さんが電話出演している。ネットを介しているから、音と映像が同期しているわけじゃないけれど、ラジオなのに、出演している人が生き生きと語る姿が見えるわけだ。ちなみに町山さん、電話だけなのに、身振り手振りが大きくて実に表情豊かに話している(もちろん、Ustreamを意識しているのだろうけれども)。ラジオを聞いている限り、向こう側の人の姿は想像するしかなかったわけだけれど、ネットのテクノロジーで見えちゃうわけだ。
ストリーミング映像の横には見ている人たちのコメントがずらずらっと流れていく。そのうち、接続者は500人に達した。ラジオと言えば、マスメディアで一方通行(他のメディアよりは受け手の参加している割合が高いけれど)になりがちなメディアなのだが、リアルタイムに参加できるというか、新しいコミュニケーション(みんなつぶやいているだけだから時間の過ごし方か?)の形が目の前で展開されていた。
もちろん、マスメディアの力で名の通って発信力が高い人だから、twitterのフォロワーも増えるということもあり、町山さんに無名の500人がぶら下がっているだけ(双方向でのやりとりは難しい)ではあるのだけれども、目からウロコというか、リアルタイムに大勢がゆるくつながるという新しいコミュニケーションの姿がそこにはあった。
で、つぶやいてみているけれども、友達同士でつぶやき合うとしたら「ふう疲れた、今帰った」というつぶやきに「お帰り」と返信するぐらいのもの。そういう意味ではtwitterって無名の人間よりは、名の通った人の方が効果的に使えるツールなのかもしれないね。