午後9時半から始まった飲み会。松本時代以降の5年間は、同業他社の人たちとの交流することがあまりなかったから、けっこう懐かしく新鮮な体験。
前日火事があった桜町の飲み屋でわいわいと。2次会は近くのショットバー。なかなか良いお店だった。
で、女性も帰って、野郎ばかり6人の午前2時すぎ。ロシア人やら中国人やらがいる飲み屋に行こうという話になり、ぞろぞろと桜木町へ向かう。
遅いからもう閉店しているんじゃないかと思ったが、怪しさ満点の呼び込みのおじさんもいたし、普通に営業していると思ってビル2階の怪しげなお店に入った午前2時半。
1人前払い5000円、ということで手際よく徴収される。「ロシア人だ、ルーマニア人だ」などと、野郎どもは盛り上がっている。僕は、こういうお店ではかえって気を遣ってしまうので苦手。おつきあい程度ということで、端っこに座る。
店長のこれまた怪しいおじさんががちゃがちゃと、ウイスキーの水割りを準備。ここら辺からなんだかばつの悪い空気が流れ出す。だって、おねいちゃんが出てこないんだもん。
たまらず「おねいちゃんは出てこんが?」と聞く野郎ども。店長曰く「な〜ん、もうちょっこで出てきますから待っとってぇくだはれ」。間髪入れず「もう帰っちゃったの? まだ何人残っとるが?」と聞く野郎ども。
「1人」。
さささっと寒い空気が漂うのを感じた。明らかに表情が変わった野郎6人(僕入れて)。確かに、店の奥にまだ客がいて、パツキンのおねいちゃんが接待しているから1人はいることは間違いない。たぶん、あの1人をさして「1人はお店にいる」ということなんだろう。仮に、野郎6人のところに1人だけ来たら、女性だって困ってしまうじゃない。
「だったら帰るちゃ、お金返してくだはれ」と要求。「な〜ん、お金ちゃ、もう銀行に入れてしもたから、返せんちゃ」と店長。「まあまあ、ビールでもウイスキーでも何でも飲んでくだはれ。カラオケもどんどん歌って」とにこにこ顔でテーブルの上に次々と並べていく。
苦笑しているのか、怒っているのか微妙な表情で顔を見合わせる野郎6人。たまらず1人が「おい、金が金庫から出せん言うがなら、おまえのポケットマネーから出すこっちゃ」と語気を荒げて申し向けたものの、「いま、2000円ぐらいしか、持っとらんちゃ」とかわす店長。もう、笑うしかない。
ついに怒りを抑えきれなくなったのが今回の主賓。「お金が返せないというなら、次に来たときに1000円か2000円で飲めるように1筆取ってくる」と、ものすごい勢いで立ち上がって店長に詰め寄っていった。店長は「オーナーと話してきます」と姿を消し、しばらくして、3万円を持ってきた。まあ、当たり前の対応だ。
午前2時半に行く方も悪いが、説明もなく手際よくお金を徴収した店がやはり悪い。夜の桜木町、注意すべし。