雪道ツーリングの帰りに、婦中町のヤマダ電機に寄ったら、何となくパソコンに付ける地デジチューナーが欲しくなった。富山に引っ越してから家にはテレビがワンセグしかない。最近、若手芸人だとか、若手芸能人だとかをまったく知らず、トレンドに置いてけぼりにされた自分に気がつき、僕の仕事からして、それもどうかと思っていたので、とりあえず地デジぐらいは見られるようにしようかと。
現在のデスクトップパソコンを買ったのが約2年前。自作しようと思ってパーツのリストアップをしたら、ショップオリジナルの既製品を買った方がお得だということに気がついて、ハイエンドというよりはコストパフォーマンスを重視したモデルを購入した。当時はVistaが出たばかりの頃で、とりあえずVistaが動くスペックです、ってな感じだったと思う。当時も地デジを付けようと思ったのだが、自作パソコンへの地デジ搭載が解禁されておらず、テレビボードはアナログしかなかったので見送っていた。
Vistaの動作の重さに閉口して、しばらくXPにダウングレードしてしばらく使っていたが、メモリが安くなったので2ギガ増設して3ギガにし、バックグラウンドでがちゃがちゃやっている機能を切ったら快適に使えるようになった。スリープモードとかはけっこう使えるし、XPと比べても動作速度が変わらない感じだったのでそのまま使っていた。
そんなショップパソコンも、スペック的には地デジを見るには十分。ボードさえ差せば見られるだろうと軽く考えて物色。買う一歩手前まで行ったのだけれど、250ギガのハードディスクでは録画した場合に役不足だろうと、バルクハードディスクが売っている今泉のパソコン工房へ。
500ギガぐらいのヤツを買おうと思っていたら、何と1テラのハードディスクが7000円台という驚愕の事態を知る。1.5テラでも1万円ちょっと。なんて時代だ。
Windows3.1がインストールされていたNECのPC9821As2を買った(いや、買ってもらったんだな)のが1994年。当時、飯山の15インチCRTディスプレーと合わせて40万円近くした覚えがある。それに入っていたHDDが340「メガ」バイト。15年でギガを超してテラの時代になったんだねえ。
とにかく、Western Digitalの1テラを買って、メルコのダブルチューナーのボードを買って帰宅する。
新しいハードディスクを入れるとあれば、そのハードディスクにOSを改めてインストールするに決まっているわけで、そのままVistaを入れるというのは何となく、物足りない。環境の再構築までにかかる手間と時間とを考えると、1度入れたOSをもう一度インストールするのって、無駄な気がする。かつてWindows95が登場する前、PC9821に95ベータ版をインストールしたぐらいのマニアであったので、迷わずけっこう評判が良いWindows7ベータをインストールすることにする。
ベータを使うには、Microsoftのサイトから7のisoファイルをダウンロードし、DVDに焼いてからそのDVDでブートするらしい。帰宅してサイトをのぞいたら、isoファイルが2.6ギガぐらいの容量だと。いくら、光環境を導入したからといって、ダウンロードには数時間はかかるだろうとにらんで、帰りがけに肉じゃがの材料を買い込んで帰ってきた。肉じゃが作って暇つぶしをしようかと。
ダウンロードを開始したらけっこう速度が速い。これはやばいと、晩ご飯の肉じゃがの製作を開始。意外なほどあっけなくダウンロードが終了した。どれくらいあっけなかったかと言えば、肉じゃがの食材の皮をむいてテキトーな大きさに切ったら終わっていたぐらい。
DVDに焼き、パソコンを開けてハードディスクと地デジボードを組み付け。SerialATAの予備ケーブルがなかったので、買ってきた1ギガのHDDしか配線ができなかった。ま、ホビー用のパソコンで、引き継がなければいけないデータもないので、そのまま1ギガにWindows7をインストールすることにする。
インストールを開始。肉じゃがを作っていたが、保温鍋にセットして、できあがりの時間でインストールも終わったぐらい早かった。ダウンロードからインストールまでに1時間ちょっと?というぐらい早い。7が「軽い」といううわさは本当みたい。
とりあえず、認識していないUSB接続のネットワークアダプタのドライバーを放り込み、ネットに接続。あっけない感じでネットにつながる。
アップデートがあるということで、ダウンロードして適用して再起動したら「なんかのファイルがない」とのメッセージが出て起動不能に陥った。ここら辺はベータ版として仕方がないところ。
インストールが早いのでもう1度入れ直すのも苦にならない。入れ直してアップデートして再起動したら、今度はきちんと起動する。なので、ようやく地デジボードのドライバーをCDからインストールする。
OSのバージョンが違うからちょこっと不安だったのだがあっけないほどに簡単にインストール完了。アンテナの配線をして、地域設定。チャンネルスキャンをしてさあ、いよいよ地デジが映ると思ったら、一瞬、デジタルのくっきり画像が映った後にプログラムが強制終了。データに著作権保護がかかっていて、あなたの環境じゃ、映すことはできません、というメッセージであった。
どうも、Windows7のバグじゃないみたいなので、ググって情報収集。どうも、地デジを映すためにはグラフィックボードとディスプレイ、両方が著作権保護に配慮した仕組みを備えていないと映らないんだって。そんなこと、パッケージに目立つように書いていなかったけれどな、といささか不満に思ったが、ついこの間までダビング制限が厳しかった地デジのことだから、規格を決めた人たちがいけないんだろうとあきらめて、ビールを大量に飲んでいたのでいつしか意識を失っていた。
これまでが19日の出来事。20日は普通に仕事をして、まあまあ忙しかったけれども7時すぎには切り上げて、上冨居の「パソコンの館」へ。バイク用品とパソコン用品が一緒に売っている不思議なお店。
グラフィックカード選び。20種ぐらいのカードが並んでいたが、トレンドのチップとか良く分からない。直輸入製品がけっこうある中で、パッケージに「PCI
Express x16 2.0」対応だけれど「下位互換はきちんとしています」(僕のパソコンはx16には対応するが2.0には対応していない)という表示と、「HDCP対応。ブルーレイコンテンツも楽しんで」ときちんと書いてあり、価格も1万2千円ちょっとという手頃であったELSA
GLADIAC 795GT DDR3 512MBを選択した。もう少し安くて同等の性能の製品もあったかもしれないが、パッケージにきちんと書いてある安心感を選択。事前にきちんと調べるのが面倒くさかったとも言う。
モニターはどうせなら、フルハイビジョン対応の解像度を買ってしまおうと思っていた。韓流のディスプレーは安いかもしれないけれど、不景気なので内需拡大のため国産品に的を絞る。展示品を見ていたら、IO-DATAの24インチモニターのちょこっと型落ちが35000円ちょっとの破格値。HDCP対応で、地デジも表示できることを確認した上で購入した。5万円弱の出費。ハードディスクと地デジボードで2万ちょっとを出していることを考えれば、10万円ぐらいになった32インチの普通の薄型テレビを買った方が使い勝手も良かったのではとふと思うのだが、そういうことはあまり考えないことにする。
家に帰って、グラフィックカードを交換。ハードディスクの組み付け位置やら、配線やらをきちんとして、面倒くさいからWindows7をもう一度最初からインストールする。インストール時間が短いから気軽にやり直せる。
インストールを開始して、Windows7を入れて、地デジを表示するまでに1時間ぐらいで終了。ようやく表示された地デジだが、チューニングできたのはBBT(富山テレビ)の1局のみ。アパートのアンテナとの接続が悪いのだろうと、きちんと配線し直したら、地上波の全局が映った。ここまでやって気付いたのだが、買ったテレビボードでは衛星電波には対応していないんだ。
そうやってようやく導入した地デジで、オバマ大統領の就任式を見た。24インチディスプレイに映し出される映像は、テレビ専用機と遜色なく、録画もできるのだから、衛星電波が映らないこと以外は、なんとなく得した気分。