富山の市街地に新しい路面電車がお目見えした。
富山は元々市内線という路面電車が2系統走っている。富山駅を起点に、県庁前を通って富山大学を結ぶ路線と、西町という繁華街を通って南富山駅までを結ぶ路線。南富山駅へは不二越という老舗工作機械メーカーの近くを通ってつながる不二越線という、こちらは路面じゃなくて鉄道が走っていて、けっこう狭い範囲に鉄軌道が充実している。富山の人みんなが口をそろえて「車がないと生活できんちゃ」と言ってほとんど鉄道を利用しないわりには、維持できているのはすごいところだ。南富山からT.O.R.F.方面へ向かう上滝線を利用すると、距離当たりの運賃がものすごく高くてびっくりするが。
で、新しい路面電車は2系統ある路面電車を新たに軌道を敷設して結び、環状線にした路線。持ち家志向が全国有数で高い県民性で、拡散し切った市街地となってしまった中、「コンパクトなまちづくり」を標榜する富山市長が鳴り物入りで整備した線路だ。線路は市が国の補助を受けて敷設し、運営は富山地鉄でやってくれ、という「上下分離方式」を取っていて、富山地鉄は線路の使用料を払うだけでいいから、なんとか走らすことができる。イニシャルコストの半分(半分は国)とはいえ市の税金を投入して、その後の赤字も面倒見る、ということなんだから、市長がかなり思い切らないとできない方式でもある。
この路面電車、新幹線が来るから実現した、と言っても過言じゃない。北陸には遅ればせながら、2014年度にようやく新幹線がやってくる。新幹線を入れるためにどうしたらよいだろうね、といろいろ考えて「ウルトラC」的な発想で生まれたのが、上の写真と同じような車両が走っている富山駅北の富山ライトレールなのだが、そこら辺を書いていると長くなっちゃうのでまた後日。