1月19日

 空燃比計を取り付けて学習を初めて1週間。そろそろセッティングが取れているだろうと、フィードバック補正を切ってみると、果たして満足いくほどまでに燃料噴射マップができあがっていた。高回転や、3000回転ぐらいのスロットルの開きはじめでで少し燃調が濃いが、問題になるほどじゃない。ここまでマップができあがると、フィードバック補正と学習はかえってギクシャク感を生むだけなので、切っておくことにする。細かいところは手でぱちぱちと修正した方が早い。セッティングが取れていなくてもとりあえず走ることができ、普通に乗っているだけでこんなに短期間でセッティングが取れてしまうFreedom+空燃比連動機能って素晴らしい。

 ノーマルエンジンを回していたセッティングで、シリンダーヘッド1mm面研(圧縮比10.2)+264度カム(in・exとも108度バルタイ)のエンジンを回したときは、かなりひどい状態であった。念のために高回転だけ燃料を勘を頼りに増量してあったのだが、まったく足りない状態。燃料を増量したにもかかわらず、アクセル全開の状態では、ほとんどの回転域で空燃比13台を示し、6000回転以上は14台であった。やはり、ノーマルカムと9mmリフトのハイカムでは、空気が入る量が違う。このほか、低回転のハーフスロットルで空燃比10ぐらいであったり、アクセルを踏むか踏まないかの領域でぎくしゃくしたりと滅茶苦茶であった。

 それにしても、14台の空燃比でモーターランド鈴鹿を全開走行をしていたのだから、今から考えると恐ろしいことであった。そもそも、B6をはじめとするB型エンジンは頑丈なエンジンであるから、少々薄い空燃比で走ろうがピストンが溶けたりはしないらしい。冬で気温が低いというのも幸いしたかもしれない。

 ハイカムを入れた当初、エンストを回避するために950回転にしてあったアイドリングも現在は850回転。アイドリング時には燃焼が一定にならないためかなりの振動がある。せっかく吸い込んだ混合気も、オーバーラップ48度というバルタイではかなりの量が排気側に吹き出してしまう。無論、排ガスはガソリン臭くなる。一人で乗っている分にはかまわないのだが、さすがに人を乗せるときにはアイドリングを1100回転ぐらいにしたくなる(Freedomなら簡単)。

 さらにインテークパイプは邪魔だから取り外し、スロットルの入り口から直接空気を吸っている状態にしてある。少しでも抵抗がなくなってフィーリングが良くなるのだが、こうすると、吸気音がものすごくなる。さらに、オーバーラップやリフト量を増やしてあるため、吸気音が必然的にうるさくなる。アクセルを踏み込んで6000回転まで回すと、異常な音が出る。一人で走っている分には問題ないが、助手席に人を乗せるとアクセルを踏むのがためらわれるぐらいの騒音である。

 チューニングで馬力を上げれば、パワーと引き替えに、快適さやエンジンの寿命など、なにかを犠牲にしなくてはならない。乗りにくさは慣れでカバーできるのだが、うるさいのはどうしようもない。すべてはバランス。VTECのような可変バルタイ&リフト量のメカを積まない限り、離れられない問題である。エンジンをいじりたい、と思っている人は、自分がどんな走り方をするのか、どこまでの不快さを許容できるのかを考えてチューニングした方が無難。

 コストパフォーマンスが高いのは、1mm面研+ROMチューンあたりのチューンかな、というのがこれまでいじってきた感想である。