いつものようにおおとろ亭で意識を失い、珍しく起きたら5時過ぎだった。大雪が降っていたのでどこか気になっていたんだろう。
再び寝ようかとも思ったが、朝、すいている時間帯に一度家に帰っておいた方が渋滞にはまらなくて良いかと思って、布団を抜け出す。大雪なので、つなぎを着て上着を2枚羽織って、外に出ると、雪が「ざあざあ」と降っていて、一面真っ白で危険な感じ。雪は膝下ぐらいまで積もっていて、ざくざくと新雪に足跡(跡というよりは穴だ)を付けながらデミオにたどり着くと、ボディーにはこんもりと雪が積もっていた。
とりあえず、デミオに装備してある長靴に履き替える。「雪どけスティック」を取り出して、おもむろにフロントガラス回りの雪を払うも、なにせ30センチ近くは積もっているので重くて大変。雪まみれになりながら、デミオの視界を確保し、ドアをこじ開けて運転席に乗り込んでエンジンを掛ける。冷えているので若干弱々しくセルが回ったものの、普通にかかった。
本来ならば、車の進行方向の雪かきをしてから車を動かすのだろうが、ずぼらをして強行突破を選択。バックギアに入れて、バンパーで雪をかき分けて道路に向かう。
大雪のときはさすが雪国、ちゃんと除雪車が出動していて、道路を除雪していてくれてある。んが、道路からよけられた雪は路肩に寄せられて、敷地と車道との間はこんもりとした壁になっている。壁があるのは分かっていたのだが、交通量が少ない早朝で、まだ暗いから車が来ていたらヘッドライトの明かりで分かることをいいことに、雪壁の強行突破を試みる。
ぐぼぼぼっと雪をかき分けて道路に近づき、ヘッドライトの明かりがないことを確認して勢いを付けて雪壁に激突。んが、敵はかなり手強く、あえなく押し戻されてしまった。前後に車を動かして突破を試みたが、相当壁が厚いらしく雪に乗り上げた形で完全スタック。
仕方ないな、とざあざあ降る雪の中を傘をさしてざくざく歩いて工場に向かい、新聞紙をもらって再びデミオへ。長靴の長さよりも積雪があったので、長靴内に雪が侵入してきて非常に不快。雪をかき分けてフロントタイヤの下に新聞を敷いてグリップを確保。リアバンパーやリアタイヤ回りの雪を手でかき分けて、障害物を除去。
新聞紙がなんとかグリップを確保し、ちょこっとだけれど前後に車が動く。ちょこっとでも動けばこちらのもので、シフトレバーをがちゃがちゃ言わせながらデミオを前後ろに揺すって、何十回か繰り返すうちに雪壁を突破した。ようやく除雪された車道に出て普通に走ることができるようになった。新聞紙を放置してしまってごめんなさい。
6時前の早朝にもかかわらず、スコップで除雪している人やら除雪機で敷地内の雪を吹き飛ばしている人やらでけっこうにぎやかだった。富山市街に近づけば近づくほど積雪はたいしたこともなく、道路に設けられた融雪装置(雪が降ったら地下水を吹き出す)のおかげで危ないこともなく帰宅できた。というよりは、サイドブレーキを駆使して横向けて遊んで帰ってきた。
太平洋側に住んでいる人からすれば、雪が何十センチも降ったら生活が麻痺してしまうんではないかと思うと思うのだが、雪国はそれなりに除雪体制ができているから自分の敷地内の除雪ぐらいすれば、そんなに生活に支障はない。ただ、長靴は必需品。ぴちっとしたスーツ姿にゴム長を履いていても、まったく普通に許されてしまう風土である。そこら辺は面食らうかも。