職場の駆け出し男子が仕事先でジャガイモをもらってきた。いきなり相手先を訪ねる営業のようなもので(営業ではないのだけれど)、名刺交換から始まってジャガイモをもらうまでのプロセスは初回訪問ではなかなか難しいはずだ。見どころがある。
ただ、家であまり料理をしないらしく持て余している感じだったので「カレーにして食うか」と提案した。こう書くと、買い出しから調理まですべてやらせたように見えるかもしれないが、全部自分でやったのである。
スーパーへ行き、カレールーやら人参やら豚肉を買い、それでも消化できない量があるので、ジャーマンポテトの素を買って職場2階の我が仮住まいで調理をする。野菜を切って仕事場の給湯室で煮て、カレーができたらジャガイモとベーコンを炒めてジャーマンポテトにした。
すべては今後のための貯金である。大変な仕事が降ってきたときこう言うのだ。「あの時のカレーうまかったよなぁ」と。飯を食べさせてもらった恩義というのはどこか頭にひっかかりができるもので、おそらくすんなり言うことを聞いてくれるだろう。パワハラじゃ、ないからね。