N-ZERO耐久クーマックカップ
2008年第3戦出場報告書
3位表彰台、シリーズ総合2位入賞!
開催日2008年11月9日 開催地:日本海間瀬サーキット
ドライバー:まっさ、こにぃ、じょう
エントリー名:マッサGOGO☆TORF(車番43)
レース結果: 予選3位
決勝 第1ヒート 3位 第2ヒート 2位 第3ヒート 6位 総合 3位
年間シリーズ結果:第1戦 2位 第2戦 2位 第3戦 3位
シリーズポイント 65ポイント獲得で年間2位
Photo by がっつ大魔王
●レースについて
助手席に加えて、30キロの純正ハードトップ装着というハンデとなったN-ZERO耐久クーマックカップの今シーズンは、もはやシビック勢vsロードスター勢の争いは成立せず、ロードスター勢の中でいかに上を目指すかの闘いとなった。予想外の苦戦を強いられた第1戦に続き、真夏にあった第2戦でも1ラップ当たり1秒以上の差となった。レースはファーストウェイMシビックが貫禄勝ちして、チーム・マッサGOGOは2番手。年間のランキングでも2番手に付けて最終戦に臨むことになった。
夏から一転、寒さに震えるレースとなったが、今回も富山から多くの方にサポート隊として駆けつけていただいた。テントの設営や机などの配置、車の撮影だけでなく、ピットの表情も押さえてレースを生き生きと記録していただいた写真撮影、ドライバーの緊張をほぐすための声かけなどなど、すべてが力になってチームの総合力で結果を出すことができた。
年間総合2位、ロードスター勢ではトップという結果をもって、物心とも支援していただいた(有)丸石様、中部水産の神谷様、車両製作からサーキットでのメンテナンスのすべてに力を尽くしていただいた T.O.Racing Factory 様へのお礼としたい。
レポート
事前準備と練習で結果を残してきたマッサGOGOだが、まさが多忙になってなかなか時間が取れず、歯がゆい思いをしてきた。しかし、忙しい中でも足回りをはじめとした改良は続けてさらなる戦闘力アップを目指した。
今回のテストは10月13日のおわらサーキット開催イベントでの走行と、11月1日にライバルであるホッピーレーシングを率いる RS FACTORY STAGE が主催する間瀬運動会の2回。車は問題なく仕上がったが、大きな課題がライバルチームから突きつけられた。
間瀬運動会でライバルのステージホッピー2号車がテストしていたのがGTウイング。レギュレーションでは一切記載はなく、主催者側も「問題ない」とのこと。テストでは1分13秒半ばまでタイムを上げてきたことからも効果は歴然としていた。同じ日に走行した雅久号のベストラップは1分14秒フラット。
他のチームから異議が出ることも予想され、当初は装着をしないつもりだったが、ライバルチーム2台が取り付けると知り、こちらも対抗上取り付けることに。当日、雨が予想されたことから、監督も装着に前向きであった。
ステージホッピー2号車のテストからたった1週間後の本番を迎え、間瀬サーキットに集まった4台のロードスターにはGTウイングが装着されていた。
工場に転がっていたGTウイング付きトランクをあわてて付けてきた。=Photo by ハラグロ
レース展開や体調管理など、まさ、こにぃ、じょうの3ドライバーそれぞれが課題を抱える最終戦。結果よりも、いかに納得できる走りをするかに集中することにした。
今回から、スノコミューEK3がシビック勢に加わった。レース経験者による本格チーム。事前テストで1分12秒5を出したとの情報があったので、ファーストウェイMシビックとがちんこバトルとなることが予想された。
エントリー11台一覧
車番
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チーム名
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形式
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14
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ファーストウェイMシビック
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EG4
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31
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ステージホッピー2号車
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E-NA6CE
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32
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ステージホッピー1号車
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E-NA6CE
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33
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RDG FALS & ガレージ31
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E-NA6CE
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34
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RDG FALS
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EG4
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36
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マツダアンフィニロードスター!
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E-NA6CE
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37
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白い恋人 with 改瀬工業
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EG4
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43
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マッサGOGO☆TORF
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E-NA6CE
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64
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スノコミューEK3
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EK3
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82
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T.O.R.F. スターレット号
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EP82
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88
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TORF☆オレンジ号
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E-NA6CE
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●公式予選
天候:曇り 路面:ドライ 出走台数:11台 9時から20分間
GTウイングなしの状態でセッティングを取った雅久号。ブレーキも一部手を入れていたので公式予選はセッティングを変える必要があるかどうかを判断するため、3戦連続でまさが第一走者として走る。前週にドライブしたこにぃは大丈夫と判断し、じょうに後半を担当してもらった。予選はいかにクリアラップを取るかが鍵。1秒の時間も惜しいので、いち早く車をコースに運んで一番でコースインする。
タイヤやブレーキが冷えていようががんがんと走るのにはもう慣れた。インラップを終えて最初のラップで1分14秒5を記録。GTウイング効果か、いつもよりも調子が良い。車はシケイン進入やZコーナー進入で安定しているのはすぐ感じることができる。ただ、最終コーナーはややアンダー気味でこれまで通りの進入だとクリップに付けない。コースインしてきた他の車に絡んで14秒台しか出ずに焦るが、1分13秒6が出たところでアタックを終了。じょうにステアリングを託した。
ロードスター勢でトップかと思いきや、モニターで確認するとステージホッピー2号車が1分13秒5を出していて、シビック2台にロードスター2台が続く形で4番手。予選の割にはきっちりタイムを出せたと密かに自信があったので、力を付けてきた相手に武者震い(負けたけどうれしい面もあり)。
じょうは数周、変わった足回りやブレーキを確認しているらしく、タイムアタックをしてこなかったが、アタックを開始するとあっさりと1分13秒5台に入れ、100分の3秒差でステージホッピー2号車を抜き予選3番手。第2戦では「本当にじょうさん」と言われたぐらい体調が悪かったが、本領を発揮してくれた。同じチームのT.O.R.F. スターレット号はクラッチトラブルで出走できず。前戦でぶち抜かれたリベンジをしたかったのだが、残念な結果となった。
1位:ファーストウエイMシビック 1分12秒4
2位:スノコミューEK3 1分12秒7
3位:マッサGOGO☆T.O.R.F. 1分13秒54
4位:ステージホッピー2号 1分13秒57
5位:T.O.R.F. ☆オレンジ号 1分13秒7
●第1ヒート
天候:曇り 路面:ドライ 出走台数:10台 10時40分から1時間
これまで2回闘って、結果を出しているドライバー順とした。第1ヒートはまっさがスタートを担当。こにぃが2番目。
今回も第1ヒート前の写真撮影会。今回はレースクイーンもおらず、30分も時間が割かれていることに「予選を30分にした方が良いのではないか」と疑問の声が上がった。第1ドライバーを務める人間にとって、どう過ごすかが本当に困る時間だ。レースモードを保とうとすれば疲れてしまうし、かといってリラックスをしていても体が冷えるし気持ちが続かない。あまり人と話す気分でもないし、トイレへ行って水を飲んでといろいろ時間をつぶしてみる。
相変わらず、車が冷えたままスタート。前回、スタートの信号が壊れて旗振りスタートになったので、信号の見方を確認する。赤が点灯するだの黄色が点灯するだのと説明を受けたのだが、面倒くさいから「青が出たらスタート」と覚えた。
緊張の瞬間。いつも通りの回転数で信号を待つ。他のドライバーよりちょっと高めの回転数で半クラッチを駆使するのがまさ流だったのだが、今回は裏目に出た。半クラッチのつもりがかつんと駆動がつながり、盛大なホイルスピン。冷えていたことを計算に入れなかった痛恨のミスでT.O.R.F.
☆オレンジ号とステージホッピー2号車に抜かれてしまう。
先頭はシビック2台。オレンジ、ステージホッピー2号、雅久号の5番手。この車なら行けるという自信があったので、どう抜こうかと考えていたが、必死で走っているのに、それほど追いつかない。LAPSHOTには13秒台が連続して表示されている。ものすごく一生懸命走っても追いつくのだけれど、抜くまでには至らない。1分13秒1のベストを出したが抜けず、ピットから早めのドライバー交代指示が出てこにぃに託す。
こにぃがコースに戻ると一人旅の位置で絶好のポジション。他のチームがドライバー交代して順位が戻ると、なぜか前にいるというのがマッサGOGO流。ドライバー交代の時間もさることながら、その前後もきちっとタイムを削って前に出るのだ。
こにぃは毎周1分14秒1でそろえるという驚異的なパフォーマンスを発揮。終盤で13秒台にも入れるという職人技で後ろのT.O.R.F. ☆オレンジ号を寄せ付けず、そのまま3位でフィニッシュした。
1位 スノコミューEK3
2位 ファーストウエイMシビック
3位 マッサGOGO☆T.O.R.F.
4位 T.O.R.F. ☆オレンジ号
5位 ステージホッピー1号車
●第2ヒート
天候:曇り→雨 路面:ドライ→ウエット→ハーフウエット 出走台数:10台 13時から1時間
第2ヒートはこれまで通り、じょう→マッサの順。1位から5位までがリバースグリッドとなるが第1ヒート3位なので、場所は変わらない。ステージホッピー1号車がポール、追うオレンジ号、マッサGOGOとロードスター勢3台が先頭。
じょうは実力通りのスタートでステージホッピー1号車を追い上げ、シケインでトップに躍り出る! 2周ほど3台が団子になって走るも、その後ぐんぐんとペースを上げて1分13秒台半ばを連発して引き離しにかかるじょう。後ろにいる2台のロードスターにバトルをさせておいて自分だけ逃げる作戦だ!
調子の良いじょうは、長く走ってもらう作戦。だが、レース半ばというところで雨が本格的に降り出す。ドライバー交代のときにはほぼウエット状態。
ここでまさにバトンタッチ。1位でバトンと受けとったからにはそれを守らねばならない。間瀬サーキットの「頂上」に当たるソックスコーナーで後ろを確認すると、けっこう離れた位置に集団がある。なによりやってまずいのはスピンすること。ハーフスピン1度だけでもあっという間に追いつかれて抜かれてしまうため、絶対にスピンしないラインとブレーキポイントで慎重に走る。一時は20秒の差が付いた。
とはいえ、後ろから敵は追ってくるわけでのんびり走っているわけにもいかない。ペースアップをしようと気合いを入れたところでピットからは「落ち着いて走れ」のサインが。そんなに余裕があるとも思えないが、スピンする車も出ているみたいなので、意外に差が大きいのかもしれないと慎重走りを継続。絶対カウンターを当てるような操作をしないドライビングだ。
終盤に近づき、雨脚が弱くなる。ライン上もところどころ色が変わってきていて、ハーフウエット状態になった。ペースアップした途端に足下をすくわれそうで、迷うところだったが気づくと後ろにシビックが。状況が理解できないが、ぐんぐんと追いついてくるから相当なスピード差だ。状況が飲み込めていなくて「周回が違うのかな」とも思ったが、毎回トップでゴールする腕前なのだからそれはないとペースを上げるもスピード差は決定的。ファイナルラップに向けた最終コーナーでとうとう追いつかれ、ブロックラインを走ったら濡れていてリアが滑りアクセルを抜いて終了。立ち上がりであっさりとかわされ2位フィニッシュとなった。
1位:ファーストウェイMシビック
2位:マッサGOGO☆T.O.R.F.
3位:スノコミューEK3
4位:ステージホッピー2号車
5位:T.O.R.F.☆オレンジ号
ピットストップをいかに早く終えるかが勝敗の分かれ目となる =Photo by ガッツ大魔王
●第3ヒート
天候:雨 路面:ヘビーウエット 出走台数:10台 14時40分から1時間
やむかと思われた雨はますます強くなり、第3ヒートスタート前には大雨になった。第3ヒートを担当するこにぃ、じょうにも緊張が走る。リアを安定させるため、GTウィングをめいっぱい立て、ガソリンを満タンにしてグリッドに並べる。
スタートを待っていると、間瀬の車が先頭に並んだ。放送もなく、ピットにいるみんなの頭の上には「?」が出るほど不可解。車の中から見ているドライバーにとってはもっと意味不明だったと思うが、そのままスタートへのカウントが進むので、ペースカーが入っての走行だと分かった。
ライトオン、追い越し禁止のまま車がスタート。4番手の位置のまま2周を走る。 遅いペースながらも通り過ぎる激しく水しぶきが上がって水の壁のようになって車が見えないほど。スタートしてしばらくしてシビック、ステージホッピー1号車に抜かれてしまうが、ウエット経験がなく、あまり溝もないタイヤでFRなのだから、こればかりは仕方がない。
置いて行かれるか、と一時不安になるが、トップ集団についていくこにぃ。ラインから車をずらすことすら危険なので、1位から6位まで隊列を組んだ団子状態で過ぎていく。
半ばでじょうに車を託す。やはりじょうもヘビーウエットでは無理はできないらしく、他の車と同じようなタイムで周回し、そのまま6位でゴールした。
1位:スノコミューEK3
2位:ファーストウェイMシビック
3位:ステージホッピー2号
4位:ステージホッピー1号
5位:T.O.R.F.☆オレンジ号
●最終結果
シビックにはまったくかなわないが、1ヒート、2ヒートでがんばったおかげで3位に付けることができた。
■1位 37p
スノコミューEK3
■2位 35p
ファーストウェイMシビック
■3位 20p
マッサGOGO☆T.O.R.F.
■4位 15p
ステージホッピー2号車
■5位 13p
T.O.R.F. ☆オレンジ号
■6位 12p
ステージホッピー1号車
表彰式。シリーズ2位を決め、達成感にあふれる。
1ヒート目のスタートミス、2ヒート目のペース配分ミス、ミスの連続だったが、何とか3番手を確保できた。レース可能なタイムで走れるようにはなった。しかし、他のレース巧者のレース模様を見ると、まだまだレースを自分でつくることができていない。今後、走ることがあるなら、相手とレースをすることを考えたい。
【シリーズ総合結果】
■1位■
ファーストウェイシビック EG4【115P】
■2位■
マッサGOGO☆T.O.R.F. NA6CE【65P】
■3位■
T.O.R.F.☆オレンジ号 NA6CE【47P】
■4位■
ステージホッピー1号車 NA6CE【45P】
■5位■
ステージホッピー2号車 NA6CE【37P】
■5位■
スノコミューEK3【37P】
■7位■
ほんだレーシング EG4【24P】
■8位■
マツダアンフィニロードスター NA6CE【18P】
■9位■
TEAM城山RACING EG4【16P】
■10位■
RDG FALS EG4【9P】
■11位■
T.O.R.F.スターレット EP82【7P】
■12位■
改瀬工業with白い恋人 EG4【6P】
■12位■
RDG FALS & GARAGE31 NA6CE【6P】
■14位■
B6魂'sオリーブボール NA6CE【3P】
■14位■
オートハウスヒロセ EL54【3P】
■16位■
それぬけパイパンマン M101A【1P】
安定して成績を収めたこともあり、総合2位を獲得した。シビックとは競争になっていないことを考えれば、T.O.Racing Factoryが総合2、3位を、ロードスター勢でワンツーを飾ることができ、堂々の成績を収めることができた。
T.O.R.F.チームの強さはチーム力だ。3台のドライバー9人のほかに、わざわざ遠くまで応援のみならず、作業まで手伝っていただける方々がいる。ドライバーにとって心強い力があり、走ることのみに集中できる環境をつくっていただいていることが結果に結びついていることは間違いない。
振り返ってみると、心強い助っ人じょうの加入や一緒に成長することができたこにぃという仲間とともに1年間を闘うことができたこと自体が恵まれていた。さらに、オレンジ号の3人の仲間と、手強い長岡勢の2台、4台のドライバー12人が同じレベルでレースできたこと自体、奇跡的だと思う。参戦してお金も時間も使ったが、本当に良い経験が得られて満足している。
来年はステージホッピーチームは参戦を見送り、それぞれの車と付き合う時間にするという。マッサGOGOのじょう、こにぃも来年は続けられそうにない。
とりあえずチーム「マッサGOGO」としての活動はこれで終了する。今後、どう車と付き合っていくか、雪かきでもしながらゆっくり考えたい。